crisp_bio

科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

[出典] "A scoutRNA Is Required for Some Type V CRISPR- Cas Systems" Harrington LB, Ma E [..] Doudna JA. Mol Cell 2020-07-08.

 CRISPR-Cas12c/dタンパク質は、ゲノム編集と核酸検出に広く利用されているCas12aやCas9との相同性が低く、Cas12c (C2c3)とCas12d (CasY)のDNA切断活性とゲノム編集活性はこれまで直接には確認されてこなかった。

 Jennifer A. Doudnaらの研究グループは今回、短い相補的非翻訳RNA (short-complementarity untranslated: scoutRNA)がcrRNAと協働することで、Cas12dを介したDNA切断が可能になることを発見した。
  • このscoutRNAは、CRISPR-Cas9と一部のCas12ヌクレアーゼが必要とするtracrRNAsと二次構造を異にしていることを同定した。また、保存されている活性に必須な5ヌクレオチド配列を同定した [Figure 4参照]。
  • Cas12cについては、scoutRNAがcrRNA誘導DNA認識に加えて、pre-crRNAの成熟に必須の補因子であることを同定した。
  • Cas12c/dシステムでは、CRISPR-Cas遺伝子座のサブセットにコードされている第3の転写物であるscoutRNAによって、リボヌクレアーゼIIIを含む宿主因子を介することなく、バクテリアの獲得免疫応答が成立する。[Figure 6にCRISPR-Casの他のタイプのCRISPR-Casシステムの比較図: Cas12c (V-C)とCas12d (V-D); Cas9 (II)およびCas12b (V-B)とCas12e (V-E); Cas13 (VI)とCas12a (V-A)]
 関連crisp_bio記事
  • Cas12c (C2c3): CRISPR関連文献メモ_2015/10/23_1 [第1項] NCBIデータベースから発見したClass 2 CRISPR/Casシステムの新奇Cas候補3種類の機能解析
  • Cas12d (CasY): CRISPR関連文献メモ_2016/12/27 1. 未だ分離培養されていない環境微生物からCas9に加えて新規Cas、CRISPR-CasXとCRISPR-CasY、を発見
  • Cas12cCRISPRメモ_2018/12/07 [第1項] クラス2タイプV CRISPR-Casシステムの新たなエフェクター/サブタイプとそのDNA/RNA切断活性の同
このエントリーをはてなブックマークに追加

コメント

コメントフォーム
評価する
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット