[出典] "Sequence-specific prediction of the efficiencies of adenine and cytosine base editors" Song M, Kim HK, Lee S [..] Kim HH. Nat Biotechnol 2020-07-06.
ABEsとCBEsが点変異誘導に広く利用され始めた。一方で、膨大な実験をしないとゲノム環境内で特定の塩基が変換される可能性を判定することが困難であり、また、変換可能な領域 (ウインドウ)内に複数の候補塩基が存在する場合に多様なジェノタイプが生成される課題を伴っている。
これまでにCpf1とCas9の活性の深層学習モデルDeepCpf1とDeepCas9を開発・公表してきた延世医科大学を主とする研究グループは今回、ゲノムワイドでの実験のデータに基づく深層学習により、ABE/CBEのサイトごとの塩基変換効率とジェノタイプのプロファイルを予測するアプリケーションDeepABEとDeepCBEを開発し,DeepBaseEditorサイトし、http://deepcrispr.info/DeepBaseEditor/から公開した。
- 深層学習によるDeepCas9モデル開発に利用したのと同じライブラリー (gRNAと標的配列のペア15,656セット)を利用して、HEK293T細胞において、ABE7.10とBE4の変換効率とジェノタイプの頻度を測定した。このセットの中で、13,504セットが少なくとも1個のアデニンを、14,157セットが少なくとも1個のシトシンを帯びていた。
- 同じ領域におけるABEとCBEの活性とCas9の活性を比較し、ABE/CBEとCas9の間に緩やかな非対称的相関関係が見られた。すなわち、ABEとCBEの活性が高い領域の殆どでCas9の活性も高い傾向が見られたが、Cas9の活性が高い領域でABEとCBEの活性が高いとは限らず変動した。
- こうした実験データに基づく深層学習を経て、ABE/CBEのウインドウ内での全てのAまたはCの変換効率を予測するモデルABE/CBE_efficiencyならびに多様なジェノタイプの比率を予測するABE/CBE_proportion、それぞれを統合したDeepABEとDeepCBEに至った。クロマチンのアクセシビリティーを考慮したDeepABE/CBE-CAモデルも構築したが、結果は、DeepABE/DeepCBEと大差無かった。
- DeepABEとDeepCBEは、HEK293T細胞の他にHCT116細胞とU2OS細胞でのABEとCBEの活性予測にも有効であった。
- ClinVarに収録されている病因変異を参照し、少なくともAsまたはCsを3つ以上帯びたウインドウ幅 (4-8)の領域95ヶ所を対象として健常者由来のiPSCsに病因変異を誘導する実験と、病因変異を帯びた合成配列をiPSCsに導入しABE/CBEで修復する実験を行い、塩基変換の効率は予測値が常に実測値を下回ったが、塩基変換の効率とジェノタイプのプロファイルの予測結果と実験結果の間に有意な相関が見られた。
参照crisp_bio記事
- CRISPRメモ_2018/02/04 [第3項] CRISPR-Cpf1 gRNA活性予測精度を、深層学習 (deep learning) により向上
- CRISPRメモ_2019/05/17-1 [第1項] SpCas9活性の深層学習モデルDeepCas9
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