[出典] A genome‐scale CRISPR knock‐out screen in chronic myeloid leukemia identifies novel drug resistance mechanisms along with intrinsic apoptosis and MAPK signaling. Lewis M [..] Mahon FX (U Bordeaux). Cancer Med 2020-07-28.
BCR‐ABL1融合遺伝子を発現しイマチニブに対して感受性を示すヒト慢性骨髄性白血病由来K562 細胞を対象として、ヒトGeCKOライブラリーA/BによるゲノムスケールCRISPR KOスクリーンを経て、イマチニブ感受性をもたらす一連の遺伝子を同定した。
- ゲノムワイドスクリーンの結果を、トップヒットの8種類の遺伝子 (KLF1, BAP1, BAX, UBE2M, MED24, BIM, EIF2AK1, およびSPRED2)の個別ノックアウトで検証し、いずれもイマチニブに対する耐性を獲得することを確認した。
- さらに、ゲノムワイドスクリーンに由来する遺伝子をベースに、STRINGデータベースとGene Set Enrichment Analysis (GSEA) を介して、薬剤耐性に関与する細胞過程ネットワークを同定した。
- 2種類のトップヒット, アポトーシス促進性遺伝子BIMとBAXとMAPK阻害遺伝子SPRED2, については実験検証も行った。BIM KO細胞に対してBH3ミメティクスのよってアポトーシスが回復し、SPRED2 KO細胞においてMEK阻害剤によってアポトーシスが回復することを確認した。
- 今回のスクリーンから既知のイマチニブ耐性機構に加えて、メディエータ複合体、mRNAポリアデニル化、タンパク質ユビキチン化などが関与する新奇なイマチニブ耐性機構も同定した。
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