[出典] Genome-wide specificity of dCpf1 cytidine base editors. Kim D, Lim K, Kim D, Kim JS. Nat Commun 2020-08-13.
オリジナルの塩基エディターCBE (BE3)はdSpCas9ニッカーゼとAPOBEC1で構成され、NGG PAMを認識し、プロトスペーサの5'末端から4-8の領域においてC-to-T変換を実現する。これに対して、dLbCas12a-BEは、TTTV PAMを認識しプロトスペーサの5'末端から8-13の領域においてC-to-T変換を実現する。
今回論文の責任著者Jin-Soo Kim等は、2015年に、Cas9のオフターゲット編集をゲノムワイドで評価するDigenome-seq [1-2]を開発し、その後、CBE (BE3)とABE (ABE 7.10)のオフターゲット編集 [3-4]の評価へと展開した。BE3とABE7.10の場合は、それぞれのデアミナーゼによってC-to-UまたはA-to-Iの変換が起こったサイトに、エンドヌクレアーゼVIIIまたはVを介して、二本鎖DNA切断 (DSB)を入れることでDigenome-seqを適用した。
研究グループは今回、HEK293T細胞にdLbCpf1-BE RNPを適用し、オンターゲットおよびオフターゲットでのC-to-U変換を促し、次いで、E. coli 由来ウラシルDNAグリコシラーゼ (UDG)とDNA glycosylase-lyase Endonuclease VIIIの混合 (USER)を加えてウラシルを除去し一本鎖DNA切断 (single-strand breaks: SSBs)を誘導し、Digenome-seqのWGSにより、オフターゲット編集を判定した [Fig. 2引用右図参照]。- その結果、dLbCas12aがcrRNAあたり12 SSBsを誘導することを見出した。
- dLbCas12a-BEsのオフターゲットサイトとLbCas12aヌクレアーゼのオフターゲットサイトの間に相違が見られた [Fig. 1: Tolerance of dLbCpf1-BE and LbCpf1 for mismatched crRNAs.参照]。
- オフターゲットサイトでの編集頻度の検出限界は0.1%に達した。
- APOBEC1にW90YとR126Eの2種類の変異を導入することで (dLbCpf1-BE-YE1)、オフターゲット編集を抑制可能なことも見出した [Fig. 4: Reducing dLbCpf1-BE off-target effects by incorporating mutations in the APOBEC1 domain 参照]。
[参考crisp_bio記事]
- 20150213 ヒト細胞におけるCRISPR-Cas9のオフターゲット効果をゲノムワイドで評価可能とするDigenome-seqを開発
- 2017-04-14 ヒト細胞におけるCRISPR-Cas9のオフターゲット効果をゲノムワイドで評価可能とするDigenome-seqを開発
- CRISPRメモ_2018/09/28 [第1項] ゲノムDNAの一本鎖切断誘導法および塩基編集 (BE)の結果を評価する法
- 2019-03-11 A-to-G塩基置換法ABEのオフターゲット作用の評価と抑制
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