1. 香港 (33歳)の例 - 間隔143日

[出典] COVID-19 re-infection by a phylogenetically distinct SARS-coronavirus-2 strain confirmed by whole genome sequencing. Kelvin Kai-Wang To et al. Clin Infect Dis. 2020-08-25

 3月感染時と8月時感染時のゲノム配列を比較し、3種類の分類体系のいずれにおいても、別系統と同停止、再感染と判定した。ゲノム配列の間には、B細胞とT細胞のエピトープを含むスパイクタンパク質, 膜タンパク質, 核タンパク質, 非構造タンパク質およびアクセサリータンパク質の9種類のタンパク質にわたり、23 塩基の差異/12 アミノ酸残基の差異が見られた。

経緯
  • 2020-03-26 RT-PCR陽性 (咳, 痰, 喉の痛み, 発熱, 頭痛の症状が3日間続いた後の検査); ゲノム解析からGISAIDのクレイドV/Nextstrainのクレイド19A, Pangolin系統のB.2に相当 (orf8にストップコドンが誘導されタンパク質58アミノ酸短縮という特徴あり)
  • 2020-03-29 入院 (比較的短期間で症状鎮静化)
  • 2020-04-05 IgG抗体陰性
  • 2020-04-16 退院 (24時間をおいた2回の鼻咽頭と咽頭スワブのRT-PCR陰性の結果) 
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  • 2020-08-15 スペイン渡航・イギリス経由・帰国から帰国;  無症状; 口腔咽頭から採取した唾液RT-PCR陽性; 胸部X線異常無し; ゲノム解析からGISAIDのクレイドG/Nextstrain クレイド20A, Pangolin系統B.1.79に相当
  • 入院後1~3日間IgG抗体陰性、5日目にIgG抗体陽性に
2. 米国ネバダ(25歳)の例 - 間隔48日間

[出典] Genomic Evidence for a Case of Reinfection with SARS-CoV-2. Tillett R et al. Lancet 2020-08-27 (Preprint). 

 これまでのデータ解析からSARS-CoV-2の天然変異速度は23.12置換/年と想定されているが、4月感染時と6月感染時のゲノム配列を比較し、その差異を天然変異で説明しようとすると置換速度を83.64置換/年と設定する必要があることから、天然変異の仮説を棄却した。

 具体的には、4月のゲノム配列は参照ゲノムに対して、GISAIDのクレード20Cが帯びている5種類の点変異に5種類のSNVsが加わっており、6月のゲノム配列は6種類のSNVsが加わっていた。4月と6月のゲノム配列を比較すると、4月に特有なSNVsが4種類、6月二特有なSNVsが6種類であった。

経緯
  • 2020-04-18 RT-PCR陽性 (喉の痛み, 咳, 頭痛, 吐き気, および下痢の症状あり)
  • 2020-04-27 自覚症状無しに
  • 2020-05-09 等温増幅法 (Transcription Mediated Amplification; TMA)法 陰性
  • 2020-05-26 RT-PCR 陰性
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  • 2020-05-31 自覚症状 (発熱, 頭痛, めまい, 咳, 吐き気,および)下痢; 胸部X線撮影
  • 2020-06-05 家庭医で低酸素の診断、酸素吸入後救急へ
  • 2020-06-05 入院胸部X線 (05-31の像から間質陰影拡大);  RT−PCR陽性; 酸素供給要; 筋肉痛, 咳, 息切れ
  • 2020-06-06 IgG/IgM陽性