2024-04-21 新型コロナ:やはりマスクをしていて正解だった
 濃厚接触にはあたらない店舗での何気ない接触も感染拡大に寄与していた

2024-04-10 Wikipediaの「反マスク」の項、膨大であるが一読に値する:
https://ja.wikipedia.org/wiki/反マスク
 そのサイズは2022年8月10日13:47の5,397バイトから始まり、2024年3月7日12:49の更新時点で、236,516バイトに達していた。もちろん、「反マスク」を絶叫する記事ではなく、「マスク」の意義、機能・機構から始まり、反マスクを主張してきた・主張している団体、研究者、医師などについて詳述。

2023-08-26 crisp_bio 2023-08-26 社会的距離やマスク着用といった非医薬品以外の介入が、COVIDの感染抑制に効果的であったことは明白、というのが英国の結論

2023-08-06 マスク着用で感染リスクが88%低下;完全ワクチン接種によって感染リスクが96%低下:crisp_bio 2023-08-05 米国マサチューセッツ州のスクール (幼稚園から高校まで)におけるサーズウイルス2の感染とリスク因子.

2023-07-16 マスク着用によってSARS-CoV-2を帯びたエアロゾルが減少し、感染も抑制される
[出典] "SARS-CoV-2 transmission with and without mask wearing or air cleaners in schools in Switzerland: A modeling study of epidemiological, environmental, and molecular data" Banholzer N, Zürcher K [..] Fenner L. ProS Med. 2023-05-18. https://doi.org/10.1371/journal.pmed.1004226 [著者所属] U Bern, U Cape Town, U Bristol.
 SARS-CoV-2の感染拡大には、特にエアロゾルと呼ばれる小さな粒子を介した空気感染が重要であることを示唆する証拠が増えつつある。しかし、SARS-CoV-2の伝播に対する学童の寄与は不明であった。スイス、南アおよび英国の研究チームが、空気感染による呼吸器感染症の伝播と学校における感染対策との関連を、複数の測定法を用いて評価した。
 研究チームは、オミクロン感染の波の中の2022年1月から3月までの7週間の期間、スイスの2か所の中学校 (secondary school) の52人と38人 (計 90人)を対象にした分子データ、環境データ、および疫学的データを統合的に解析した。
  • 対象期間を通じて空中のエアロゾルと学生の唾液サンプルから常にSARS-CoV-2ウイルスが検出された。
  • エアロゾルと粒子の濃度が、マスク着用によって平均70%減少し、空気清浄機の使用によって平均40%減少した。
  • ウイルスの伝播モデルから、マスク着用によって、2件から19件の感染を防止可能であったと推定された。
2023-03-27 コクランのレビューは『マスクは効果がない』と主張したのか?
 コクラン・ライブラリーの編集長が、「多くのコメンテーターが、『コクラン・レビューがマスクは効果がないことを示した』としているが、これは不正確で誤解を招く解釈である」とする見解を発表した。
[出典] "Statement on 'Physical interventions to interrupt or reduce the spread of respiratory viruses' review" Karla Soares-Weiser (Editor-in-Chief of the Cochrane Library) on behalf of Cochrane. 2023-03-10. https://www.cochrane.org/news/statement-physical-interventions-interrupt-or-reduce-spread-respiratory-viruses-review
 コクランのレビュー [*] の著者は、要旨でその限界について次のように明言している:「試験におけるバイアスリスクが高いこと、マウス着用効果測定のばらつき、試験中の介入策に対する遵守度(adherence)が比較的低いことから、確固たる結論を引き出すことがむずかしい」。ここでいう遵守度とは、提供されたマスクを実際に着用した人の数のことである。例えば、ある試験では、地域住民の中で、マスク着用を求められた集団では42.3%が実際にマスクを着用したのに対して、対照群でも13.3%の人がマスクを着用していた。
 また、このレビューの当初の一般向けの平易なサマリーにおいて、「P2/N95の着用が呼吸器系ウイルスの拡散を遅らせるのに役立つかどうかは、評価した研究からは不明である」としている。
 コクラン・レビューと今回のレビューの著者は、「マスク着用を促進するための介入が、呼吸器系ウイルスの拡散を遅らせるのに役立つかどうかを検討したレビューであることを明確にするために、平易な言語による要約と抄録を更新する目的」で、現在、協力をしている。
 [*] REVIEW "Physical interventions to interrupt or reduce the spread of respiratory viruses" Jefferson T, Dooley L, Ferroni E, Al-Ansary LA, van Driel ML, Bawazeer GA, Jones MA, Hoffmann TC, Clark J, Beller EM, Glasziou PP, Conly JM. Cochrane Database Syst Rev. 2023 Jan 30;1(1):CD006207. 
 [crisp_bio注] 
  • このレビューは、すでに発表された一連の論文の中から信頼性が高いと思われるランダム化比較試験(randamized controlled trials: RCT)の論文78件を抽出し、介入(マスク着用推奨)の有効性を統合解析した"システマティック・レビュー"である。
  • マスクの効果に関する本記事で取り上げた一連の実験から、マスクの効果は、材質と着用の仕方に大きく左右されることが明らかになっている。例えば、医療従事者が空気感染を防止するために使用してきたP2/N95マスクでさえ、しっかりと密着させないと、その性能は布マスク並みになる。また、このような論文もある(挿入図は米国CDCのブログ記事から引用):2023-03-27 11.47.14N95着用にあたって、105人の男性医療従事者のうち適切な密着を達成したのはわずかに34名 (32%) であった。また、105名のうち38名は髭をきれいに剃っていたが、その中で密着を達成したのは18名 (47%)であり、さらに、髭の増加に伴って適切な密着が有意に低下する結果となった; [出典] "A close shave? Performance of P2/N95 respirators in healthcare workers with facial hair: results of the BEARDS (BEnchmarking Adequate Respiratory DefenceS) study" Sandaradura I, Gorman E, Pontivivo, Fine E, Gray H. Marriott D, Harkness J, Anderson D (St Vincent's Hospital). Journal of Hospital Infection. 2020-01-21. https://doi.org/10.1016/j.jhin.2020.01.006
2022-12-09 液滴のサイズに依存するマスク素材の特性に関する論文がProceedings of h National Academy of Sciences U. S. A. 誌から発表された:2022-12-09 マルチスケールにわたる液滴の濡れ性の分析に基づくN95マスクの性能向上. https://crisp-bio.blog.jp/archives/30987780.html
2022-11-28 マスクを外すと感染が拡大する - 米国ボストンからのデータ
 
新型コロナウイルスに対するマスクの効果を示唆する論文がNew England Journal of Medecine誌から公開された。以下、crisp_bio "COVID-19感染状況を見て思うこと (21)" 2022-11-11 21:31の項から転載:

...「マスクの着用義務を解除した学区での感染拡大が、解除しなかった学区を有意に上回った。また、生徒とスタッフを比較するとスタッフへの影響の方が大きかった」とする論文が出版された。ボストン広域圏 (Greater Boston)で2つの学区を除く全ての学区でマウス着用義務が解除された機会を捉えて、マウス着用義務を継続した学校と解除した学校におけるCOVID19感染拡大を、その後の15週間について、比較した結果である [NEJM 2022-11-24/11-09 Figure 1参照]。なお、マスク着用義務を解除しなかった学区は、古い校舎で環境整備が行き届かず、生徒に低所得層、障害者、そしてまたは英語学習者の占める割合が高く、また、生徒とスタッフにおいてアフリカ系とラテン系が多かった。...


2021-07-01 [番外編] crisp_bio 2021-07-01 新型コロナウイルスを呼気から感知するマスク - SHERLOCK入りマスク登場: crisp_bio 2021-07-01 参照 https://crisp-bio.blog.jp/archives/26788503.html [下図はWyss InstituteのNEWS記事から引用]
2021-07-02 0.44.54  2021-07-02 0.40.02
2021-05-21
 5月20日にScience誌からオンライン出版されたマスク論文:新型コロナウイルス感染に抗するマスクの有効性は,ウイルス量によって変動する
[出典] "Face masks effectively limit the probability of SARS-CoV-2 transmission" Cheng Y, Ma N [..] Su H. Science. 2021-05-20. https://doi.org/10.1126/science.abg6296
 マックスプランク化学研究所を主とする研究グループからの報告.
 ウイルスは飛沫やエアロゾルを介して空気感染する.これまで空気感染に対してマスクが有効とされてきたが,新型コロナウイルスの感染を軽減する効果については.まだ議論の余地があるとして,定量的モデルに基づく検証をした.
 [注1] 論文では,マスクの効果は僅かまたは無いとする一連のランダム化臨床試験の報告と,マスク装着率が高い地域ほど感染がより抑制されているという一連の報告を引用
[注2] 結論は,経験的な判断と整合
[注3] ウイルス量のレベルが桁違いなスーパースプレッダーや,感染力が強い変異株に遭遇した場合は.サージカルマスクをしていても,感染リスクが高まると考えられる.
  • 感染者ごとにウイルス量が桁違いに変動する新型コロナウイルス感染に抗するマスクの有効性が,ウイルス量に左右され.また,感染確率の集団平均と再生産数に相関することを示した.
  • ほとんどの環境や接触者はウイルス量のレベルが低く,濾過効率が相対的に低いサージカルでも感染防止に有効である.
  • 医療センターや病院などのウイルス量のレベルが高い可能性がある屋内環境では,サージカルマスクよりも濾過性能が高いマスクの装着やその他のシールドの併用が必要になる.
2021-05-17 "福井県 感染者の85%がマスクなしで会話や飲食で感染か" NHK NEWS WEB. 2021-05-15 20:48. https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210515/k10013033081000.html
 福井県では感染経路を丁寧に追いかけることで,NHK NEWSのタイトルにあるような数値を把握し発表した.「丁寧」の中には「(マスクしていたつもりだったが)そういえば,あの時はマスクを外していた」という気づきをもたらすような問診も含まれていたようだ.
2021-03-05 二重マスクの効果について「富岳」によるシミュレーション結果が発表された。二重マスクの効果はごくわずかで、マスクは密着させることが決め手という結果であったが、「2重マスク、スパコン「富岳」が効果を計算 結果は意外」というタイトルで配信された報道 [*]もあった。シミュレーションはCDCの2月10日付の報告を裏付けたものだったのだが。また、富岳のシミュレーションで、3m前方で会話している歩行者からの飛沫感染のリスクが示されていたが、これは、歩きタバコをしている喫煙者の後ろを歩いていた際の経験を裏付けた事になる。[*] 朝日新聞DIGITAL 2021-03-04 18:48 https://www.asahi.com/articles/ASP34632GP34PLBJ003.html?iref=pc_special_coronavirus_top
2021-02-11 米国CDCからのメッセージは"マスクをするなら、顔に最大限フィットさせよ"
[出典] "Maximizing Fit for Cloth and Medical Procedure Masks to Improve Performance and Reduce SARS-CoV-2 Transmission and Exposure, 2021" Brookds JT [..] Lindsley WG. CDC Morbidity and Mortality Weekly Report. 2021-02-10. https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/70/wr/pdfs/mm7007e1-H.pdf
[*] 以下のテキスト内の医療用マスクは、FDA 21 CFR 878.4040 に準拠したsurgical, laser, isolation, dental, またはmedical procedure masksと呼ばれるマスクを意味する
 マネキンを使った実験で、(1) 医療用マスク一重、(2) 医療用マスクに布マスクを重ねた二重、および(3) 密着度を高めるため紐をねじり後ろをつめた医療用マスク一重の3種類について、0.1–7  μmのサイズの飛沫放出と飛沫受容を、マネキンのペアで測定した。双方にマスクをセットした場合、(1), (2), および(3)の飛沫抑制効果は、84.3%, 96.4%および95.9%となった。
 二重にするか否かよりも、顔にフォットさせることが決定的である。二重マスクをしたとしても、マスクの両側に隙間ができがちなサージカルマスクの2枚重ねは推奨しない。
[参考] CDCが進めるマスクの着け方: Improve How Your Mask Protests You. 2021-02-10. https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/your-health/effective-masks.html

2021-01-17 "マスクは二重にせよ"とする論説が発表された [出典] COMMENTARY "Uniting Infectious Disease and Physical Science Principles on the Importance of Face Masks for COVID-19" Gandhi M, Marr LC. Med 2020-12-16/2021-01-15. https://doi.org/10.1016/j.medj.2020.12.008
 米国におけるマスク着用の状況に対する問題意識からUCSF Division of HIV, Infectious Diseases, and Global MedicineのM. Gandhiと、Virginia Tech Civil and Environmental EngineeringのLinsey C. Marrがマスク着用の必要性と効果的なマスクを論じた。
  • マスク着用を義務付けたアリゾナ州とカンサス州における感染抑制とマスク着用を義務付けなかった州における感染拡大、および、本crisp_bio記事でも取り上げたドイツでのマスクの効果などの事例がTable 1にまとめらている。
  • 各種マスクの性能比較についても、自身の研究や本crisp_bio記事でも取り上げた日本の研究も含めてまとめられているが、概ね、本ブログ記事の内容と整合している。
  • 興味深いのは、マスクを二重にすることを推奨している点である (Fig. 1参照)。「(溶融ポリプロピレン不織布系)サージカルマスクの上に織り目の詰んだ生地のマスクを重ねる」または「折り目の詰んだ生地のマスクを、フィルターを挟んで、重ねる (計 三層)」、その上で、隙間が無いように着用することで、1μm以上の粒子 [*注]を > 90%遮断できるとしている。
  • その上で、マスクの重要性への理解をどのようにして社会に広げるか、論じている。
[*注] 著者らは、呼吸や発声などからのエアロゾルのサイズとして、ウイルス粒子には塩やタンパク質などの分子が付随していることから、1μm以上の粒子がウイルス感染に最も貢献するとした。一方で、ウイルス感染を広げるエアロゾルのサイズについては0.3μm (300 nm)と仮定した研究もある。タバコの煙のサイズは0.5μm前後とされていることから、0.3μmと仮定すれば、ウイルスを帯びたエアロゾルの動きはタバコの煙の動きに置き換えてと見ることができそうだが、どうなのだろう。
 以前は屋外で、風向きにもよるが後方または前方からの歩きタバコの匂いをかなり遠くからでも感じた。また、風が無い日は、姿が見えなくても、少し前に通り過ぎた歩きタバコの匂いを感じることもあった。
 これまで「唇が見えたらコロナ」と思っていたが、一定時間漂い続けまた空気の流れにそって数メートル移動するエアロゾルを想像すると、これからは「唇が見えなくてもコロナ」と念じつつ二重マスクをした方が良いかもしれない。

2020-12-12 更新 JAMA Internal Medicine に掲載された「マスク濾過性能比較論文」へのリンクを追加: "Evaluation of Cloth Masks and Modified Procedure Masks as Personal Protective Equipment for the Public During the COVID-19 Pandemic" Clapp PW [..] Bennett WD,  US Centers for Disease Control and Prevention Epicenters Program. JAMA Intern Med. 2020-12-10; 一般用と医療用のマスクの濾過効率 (fitted filtration efficiencies: FFEs)を、US Occupational Safety and Health Administration Quantitative Fit Testing Protocolに準拠して測定比較; FFEは26.5%から79.0%までの間に分布; 一般用マスクの多くはFFEで見る限り医療用マスクと同等; 一般用マスクの中で2層のナイロン織物マスクがベスト; 医療用マスクであっても顔にフィットしていないとFFEは38.5%であり、しっかりとフィットさせることで80.2%まで改善される
[感想]
 新型コロナウイルス患者に直接接する医療従事者がマスクの密着度を入念にチェックしている映像を見たことがあるが、改めて、納得した [参考資料リンク] N95マスクの適切な装着のために https://www.3mcompany.jp/3M/ja_JP/medical-jp/mask/fit-test/; 院内感染予防対策 https://www.inazawa-hospital.jp/media/standard.pdf
 また、今回プラスティック製のマウスガードとフェースガードはテストされていないが、「フィットさせる」ことが重要なことが指摘されたことから、双方とも飛沫の拡散と吸入の防止には役に立たないことが、再び、示唆された。

2020-12-04 更新 マスクの感染拡大抑制効果の疫学的エビデンスを示したPNAS論文情報を追加
[出典] "Face masks considerably reduce COVID-19 cases in Germany" Mitze T, Kosfeld R, Rode J, Wälde K. (medRxiv 2020-06-29) PNAS 2020-12-03.
 U Southern Denmark, U Kassel, Technische U DarmstadtおよびJohannes-Gutenberg-U Mainzの共同研究チームは今回、マスクがCOVID-19感染拡大の抑え込みの武器として費用対効果比が極めて高いとPNASに発表した。
 ドイツでは4月に全ての州でのマスク着用を義務化する方針が発表されたが、開始時期は地域ごとに異なっていたことから、研究チームは、マスク着用が義務付けられた地域と、義務付けられなかった地域、のべ401地域での感染状況を、Synthetic Control Method (SCM) を利用して、マスク着用の感染拡大防止効果の観点から比較分析することができた。
  • 公共交通機関と店舗でマスク着用が義務化されてから20日後の時点で、義務化された地域での日々の新規感染者数が、その間義務化されなかった地域に対して47%減少すると判定した。
  • マスクのコストは他の公衆衛生対策と比較するとコストはゼロに近い。
 2020-11-30 22.12.462020-11-30 更新 全音楽譜出版社がスパコン富岳での新型コロナウイルス感染シミュレーションを進めている理化学研究所、神戸大学および豊橋科学技術大学から情報提供をうけて作成した資料 [*]から"フェイスシードやマウスシールドは感染防止には見掛け倒し [**]"を示す部分を右図に引用。飛沫の漏れ防止効果がほとんど無く、エアロゾル吸い込み防止効果はゼロである
[*] 新型コロナウイルスに関する情報 [マスク編]  データから見るマスクの効果 (https://www.zen-on.co.jp/pdf/Coronavirusnews01.pdf)
[参考] 2020年11月26日記者勉強会動画資料final「室内環境におけるウイルス飛沫感染の予測とその対策」理研/神戸大 坪倉 誠 (https://www.r-ccs.riken.jp/wp-content/uploads/2020/11/20201126tsubokura.pdf)
[**] 隙間だらけなのでむしろ「見かけ通り」というべきかもしれない。

2020-11-22 更新 6月と4月に学術雑誌に掲載されたマスクの効用に関連する展望と素材に関する論文へのリンクを追加
1. 展望 - エアロゾルと飛沫*を介した無症状者からの感染拡大防止には、マスクと検査
[出典] "Reducing transmission of SARS-CoV-2" Prather KA, Wang CC, Schooley RT. Science. 2020-06-16.
  • [*] エアロゾルのサイズ ≤  5 μm; 飛沫のサイズ 5 - 10μm
  • 新型コロナウイルスは、無症状感染者から感染が広がり、その感染性のピークは発症時または発症前数日に来る。したがって、社会活動を取り戻すには、無症状感染者を特定し保護するための広範で定期的な検査が必要である。
  • 新型コロナウイルスは、咳やくしゃみに伴う飛沫よりも、呼吸または会話に伴うエアロゾルに伴って伝播する傾向が強く、エアロゾルは空中に長時間浮遊し密閉空間では高濃度になり、また、サイズが小さいから容易に肺胞まで吸い込まれることから、社会活動を取り戻すには、マスク着用が必須である。
  • 疫学データから見ても、マスク着用が広がっている台湾、日本、香港、シンガポール 、および韓国ではCOVID-19の感染が比較的抑制されて、特に台湾は全住民がマスクをリーズナブルな価格で入手可能にするシステムを早期に確立して顕著な効果を上げた。
2. 論文 - 各マスク素材のエアロゾルに対する濾過性能
[出典] "Aerosol Filtration Efficiency of Common Fabrics Used in Respiratory Cloth Masks" Konda A [..] Guha S. ACS Nano 2020-04-24.
  • Table 1に各素材単独および重ねた場合の濾過性能が、サイズ < 300 nmとサイズ > 300 nmそれぞれまとめられている。
  • 濾過性能の例 ( < 300 nmのエアロゾルに対して)
  ・N95 (no gap) 85 ± 15 %; N95 (gapあり) 34 ± 15 %
  ・高密度コットン (600 TPI)2層 82 ± 19 %
  ・コットンとシルクの2層 94 ± 2 %
  • 素材の選択に加えて、顔にフィットし隙間を作らないことが重要である (フィットしていなことによる効果減は60%以上にも及ぶ)
2020-10-31 更新 「マスクがなぜ有効か, マスク生地の中で何が起きているのか」ニューヨーク・タイムズがグラフィックスを駆使してオンラインで解説: "Masks Work. Really. We'll Show You How". Fleisher O, Gianordoli G, Parshina-Kottas Y, Patanjali K, Peyton M, Saget B. NYT 2020-10-30.

2020-10-28 更新 国立国際医療研究センター忽那賢医師による「マスク着用による新型コロナの感染防止効果について」(Yahooニュース2020-10-10 11:47)へのリンクを追加し、一部を以下に引用:
"新型コロナはこれまでのインフルエンザなどのウイルス感染症とは異なり、発症前に感染性のピークがあることが特徴; ユニバーサルマスクが感染を減らすというエビデンス; マスク着用は感染を減らすだけでなく重症化を防ぐ可能性も; マスクの種類はどれでも良い?; マスク着用はメリハリをつけましょう; マスク着用以上に、手洗いをこまめに行うことが重要です - マスクを着けているから自分は安心、と思わず基本的な感染対策もおろそかにしないようにしましょう。"

2020-10-27 タイトルを「N95マスクからバンダナまで飛沫濾過性能を比較してみた」から「マスクの効果は素材や形によってどの程度違うのか, 飛沫の濾過性能を比較してみた」に変更

2020-10-26 更新

  1. crisp_bio記事 "2020-09-28 新型コロナウイルス: 会話時, 破裂音が高頻度だと飛沫は2 mを超える"へのリンクを追加Mask Protective Efficiency
  2. マスクの効果をSARS-CoV-2ウイルスで実証した東大医科研, 慶應大 (医)ならびに独立行政法人国立病院機構仙台医療センターによる論文書誌情報*を追加し、論文掲載FIG.2を右図に引用した。このグラフから感染者がマスクをすることの効果が大きいことと、双方がマスクをすることの相加的効果が見えてくる(Y軸/縦軸がlogスケールであり、最大値が他は4.0のところ、グラフBだけ3.0になっていることに注意;グラフ下段のw/o masksマスク無しの意) [*] "Effectiveness of Face Masks in Preventing Airborne Transmission of SARS-CoV-2" Ueki H, Furusawa Y, Iwatsuki-Horimoto K, Imai M, Kabata H, Nishimura H, Kawaoka Y. mSphere 2020-10-21
2020-09-21 初稿
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[出典] "Low-cost measurement of face mask efficacy for filtering expelled droplets during speech" Fischer EP, Fischer MC, Grass D, Henrion I, Warren WS, Westman E. Sci Adv. 2020-09-02. https://doi.org/10.1126/sciadv.abd3083

Fig. 1 新型コロナウイルス・パンデミックの中で、品質保証がされた市販マスクの入手困難もあり、手作りマスクが拡がった。Duke Universityの研究グループは、材質も形状もさまざまなマスクについて、日常会話に伴う飛沫 ( > 0.5μm) の濾過性能を、シンプルな装置で光学的に測定・比較した [Fig.1から引用した右図参照]。
  • 話者からのマスクを透過していく飛沫をレーザー散乱光の像で定量する。話者はビデオを回し始めて10秒後から “Stay healthy, people”を5回繰り返し、その20秒後にビデオを止めた。マスク無しをコントロールとし、各マスクについてこれを10回繰り返した。話者は1マスクあたり1~4人であった。
  • 測定対象のマスクは左下図 [Fig. S8を引用]にある14種類であり、濾過性能は右下図の結果 [Fig. 3を引用]となった。バルブ無しN95 (#14)と三層サージカルマスク (#1)に近い性能を示す (#5, #4, ---)マスクがあった一方で、ネックゲーターやバンダナのようにマスク無しと同様、飛沫の濾過を期待できないからものもあった。
    2020-10-27 22.58.39  2020-10-27 22.59.54
    なお、バンダナが飛沫を"増加"しているように見えるのは、大きな飛沫を小さな飛沫として散乱させる傾向があり、飛沫の数を数える測定方法のために数値が増えたと解釈している。
  • 今回の簡便な測定法には、マスクを透過した飛沫を全て捉えていない可能性や、スマホのカメラ1台で撮影したことによる精度、話者の人数が十分でない、などから来る限界があるが、マスクの濾過性能を相対的に評価するには十分としている。