[出典] "Speech can produce jet-like transport relevant to asymptomatic spreading of virus" Abkarian M, Mendez S [..] Stone HA. PNAS 2020-09-25.  (arXiv 2020-06-18/2020-09-01)

 医学的報告やニュースソースが、COVID-19の症状を呈していないSARS-CoV-2感染者が、呼吸する, 会話する, 笑う , 歌う, あるいは, 運動する間に、ウイルス感染を拡げるとしている。University of MontpellierとPrinceton Universityの研究グループは今回、数値シミュレーションと実験室内実験により、会話の際に吐き出される息 (飛沫)の空中でのフロー (エアフロー)の時空間構造を分析し、3種類の構造を同定した。センテンスとしては例えば、“Peter Piper picked a peck” (PPPP) や “Sing a song of six pence” (SSSP)"などが使われた。
  1. 呼吸のみまたは通常の会話に伴うフローは、広角で、1秒内に0.5 mまで達する。
  2. 破裂音 (P, B, K, ...など)に伴うフローは、強い指向性の渦巻状で1 mまで達する。
  3. 破裂音が多いセンテンスに伴うフローは、周辺の空気を巻き込む円錐状で秒速数メータに達するジェット気流様であり、30秒で2 mを超える [ムービーS2  参照]
 これらの分析結果は、いわゆる"6-foot rule" (日本で言う2 mルール)を含めて、SARS-CoV-2に限らず空気・エアロゾル・飛沫感染する病原体感染をコントロールする公衆衛生ガイダンスの議論の参考になる。

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