2021-04-05 ファイザー がプレス発表2件にて12-15歳に有効性100%; 6ヶ月後の有効性91.3%; 重症予防効果 95.3%; 南ア由来変異株にも有効」と発表し, 査読付きジャーナルに投稿予定とした:
1. "Pfizer-BioNTech Announce Positive Topline Results of Pivotal COVID-19 Vaccine Study in Adolescents" Pfizer 2021-03-31. https://www.pfizer.com/news/press-release/press-release-detail/pfizer-biontech-announce-positive-topline-results-pivotal
  •  12 -15歳2,2,60名 (プラセボグループ 1,129名; ワクチングループ 1,131名)を対象とする第3相試験
  • COVID-19患者はプラセボグループからの18例のみであり,有効性100%と判定した.
  • 二回接種1ヶ月後の中和幾何平均抗体価 (BMTs)が1,239.5と,16-25歳のGMTsの705.1を上回った.
2. "Pfizer and BioNTech Confirm High Efficacy and No Serious Safety Concerns Through Up to Six Months Following Second Dose in Updated Topline Analysis of Landmark COVID-19 Vaccine Study" Pfizer. 2021-04-01 06:45 am. https://www.pfizer.com/news/press-release/press-release-detail/pfizer-and-biontech-confirm-high-efficacy-and-no-serious
  •  46,307名が参加した第3相試験の2021年3月13日までの追跡調査
  • 第二回接種後6ヶ月の判定で,COVID-19患者数は927名で,プラセボグループ (プラセボG)から850例,ワクチングループ (ワクチンG)から77例,有効性91.3%となった.
  • 米国での有効性は92.6% (COVID-19患者697名; プラセボGから647名, ワクチンGから50名)
  • 南アフリカでの有効性は100% (800名のコホートでCOVID-19患者9名全てプラセボG; 9名のうちB.1.351変異株感染者は6名)
  • 927名に見られた重症予防効果はCDCの判定基準で100%であり,FDAの判定基準で95.3%となった [FDA判定基準の重症例は,プラセボGから21例,ワクチンGから1名]
  • 妊婦および母乳を介した幼児への作用を判定するに十分なデータは得られていない.
 Drug Discovery '& Development (Buntz B. 2021-04-01*)によるとファイザー 社は年末までに年に25億回分の生産能力が整い,ビオンテック社は,2021年後半には凍結乾燥版と,現場での希釈や分注を不要とする液体製剤を開発する予定 [* https://www.drugdiscoverytrends.com/pfizer-biontech-covid-19-vaccine-91-3-effective-after-six-months/]
 
2021-03-03 FDA, 保存条件の緩和を承認: -25°Cから-15°C, 暗所で2週間保存可能; 一回-80ºCから-60ºCでの超低温冷凍保存に戻すことも可. 
[出典] FDA NEWS RELEASE 2021-02-25. "Coronavirus (COVID-19) Update: FDA Allows More Flexible Storage, Transportation Conditions for Pfizer-BioNTech COVID-19 Vaccine" https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/coronavirus-covid-19-update-fda-allows-more-flexible-storage-transportation-conditions-pfizer
2021-02-20 BNT162b2ワクチンについて、通常の医薬品冷凍庫で2週間まで保存可能とするデータと、一回の接種で有効性が90%前後に達するデータが発表された:
[保存温度] ファイザーとビオンテックは、 BNT162b2 mRNA COVID-19ワクチンを通常利用されている医薬品冷凍庫 (-25°C ~ -15°C)で2週間まで保存可能というデータをFDAに提出し、EUAの条件変更が承認されるのを待っている。なお、超低温 ( -80ºC ~ -60ºC)では6ヶ月保存可能とされていた。 [出典] "Pfizer and BioNTech Submit COVID-19 Vaccine Stability Data at Standard Freezer Temperature to the U.S. FDA" Pfizer Press Release. 2021-02-19. 07:00 am EST. https://www.pfizer.com/news/press-release/press-release-detail/pfizer-and-biontech-submit-covid-19-vaccine-stability-data
[一回接種の有効性]  FDAに提出されて公開されていた文書に記載されていたデータに基づいて、カナダの研究者が、BNT162b2 mRNAワクチンは1回の接種で有効性は92.6%に達し、モデルナ社のmRNA-1273ワクチンの1回接種による有効性92.1% [2]と同等とし、PolackらのNEJM論文における1回接種の有効性52.4%という報告 [3]は、免疫応答がピークに達していない期間のデータも含んだ解析に由来するとした。
 Public Health Englandもレポート [3]の中で、第一回接種から15-28日後に間に有効性が81-91%に達すると算定しており、また、イスラエルのSheba Medical Centerが、主として若年で健康な集団への接種の結果ではあるが、一回接種後の有効性が85%に達すると見ていると報道 [4]されている。
  1. "Safety and Efficacy of the BNT162b2 mRNA Covid-19 Vaccine" Skowronski DM, de Serres G. N  Eng J Med 2021-02-17. https://doi.org/10.1056/NEJMc2036242
  2. Vaccines and Related Biological Products Advisory Committee meeting. December 17, 2020. FDA briefing document: Moderna COVID-19 vaccine. https://www.fda.gov/media/144434/download
  3. "Safety and efficacy of the BNT162b2 mRNA Covid-19 vaccine" Polack FP, Thomas SJ, Kitchin N, et al. N Engl J Med 2020-12-10. https://doi.org/10.1056/NEJMoa2034577
  4. Israeli study finds Pfizer vaccine 85% effective after first shot. Reuters. 2021-02-19 12:00. https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-israel-vaccine/israeli-study-finds-pfizer-vaccine-85-effective-after-first-shot-idUSL8N2KO72J
[crisp_bio注: タイトルから「開発の大逆転ストーリー」を削除した。

2021-02-06 ブログ記事タイトルを「ファイザー社とビオンテック社のmRNAワクチン, CDCも推奨; 開発の大逆転ストーリー」から「ファイザー社とビオンテック社のmRNAワクチン, 開発の大逆転ストーリー」へ変更
2020-12-30 [参考] crisp_bio "新型コロナウイルス: ワクチンに関する雑感と専門家からの情報"
2020-12-14 12:30 ロックフェラー大学の船引宏則教授、mRNAワクチンの種が実を結ぶに至るまでの逆転につぐ逆転のストーリーをツイートして下さいました。mRNAワクチンが画期的であることが良く理解できると共に、"選択と集中"のために打ち捨てられていた種を拾い上げて育てていた目利き達がいたという物語。mRNAワクチンが画期的であることを理解できると共に、研究のあり方・進め方について考えさせられる。
2020-12-14 00:27 FDA (食品医薬品局)のEUA承認に続いて, CDC (疾病予防管理センター)の予防接種の実施に関する関する諮問委員会 (Advisory Committee on Immunization Practices: ACIP)も、会議二日目の12月12日に投票の結果接種推奨すると結論した [
https://www.cdc.gov/vaccines/acip/meetings/slides-2020-12-11.html]; 紙谷 聡医師 (エモリー大学小児感染症科)が、被験者数が少なかった18歳未満への接種、妊娠中と授乳中の女性への接種など、要点を「CDCの新型コロナワクチン推奨のまとめ」(和文)にまとめWebで公開しておいでです。

2020-12-12 米国東海岸時間の11日にFDAが新型コロナウイルス: ファイザー社とビオンテック社のmRNAワクチンの緊急使用を許可したと報道された。ニューヨークタイムズ紙の記事"初回の出荷は来週米国内向け290万回分"を引用したEric Topolの気持ちが伝わるようなツイートを以下に引用 FDAの公式ニュースリリースはこちら: "FDA Takes Key Action in Fight Against COVID-19 By Issuing Emergency Use Authorization for First COVID-19 Vaccine" FDA NEWS RELEASE 2020-12-11.
2020-12-11 STAT Newsが、12月10日に開催されたFDAの「ワクチンならびに関連の生物製剤に関する諮問委員会 (VRBPAC)」VIRTUAL MEETINGの1日を追いかけた記事をオンラインで公開している。2020-12-11 9.44.24投票結果は、諮問委員会YouTube版からキャプチャした右図にあるように賛成 17, 反対 4, 棄権 1であったことから諮問委員会はFDAにEUA承認を勧告し、FDAが最終判断する。[出典] "FDA advisory panel endorses Pfizer/BioNTech Covid-19 vaccine" STAT New 2020-12-10 ET.
 なお、諮問委員会のビデオ (8時間41分45秒)がリアルタイムで公開され、また、YouTubeでも公開されている [YouTube https://youtu.be/owveMJBTc2I]

YouTubeビデオの8時間37分14秒ごろから投票結果が表示され、各委員の投票行動がアナウンスされている
[crisp_bio注]「自由闊達な議論ができない。本音が聞けない」という理由で、公的な会合でも議事録を録らない、議事録を公開しない、という日本では到底実現不可能な米国のこの透明性については羨ましい限り。

2020-12-03 英国12月7日の週から緊急使用を開始
 BBC online news [*]など各種報道によると、医薬品・医療製品規制庁 (Medicines and Healthcare products Regulatory Agency)が緊急使用を承認し、12月7日の週にケアホームの高齢者とスタッフから接種を開始予定; ベルギーで生産されたBNT162b2 80万回分輸送中; 英国内ではまず-70℃の冷凍保存庫を手配済みの病院へと配送されるため、接種に至るロジスティックスが課題; ジョンソン首相はワクチン接種開始を"fantastic"と歓迎しつつ「これですっかり安心したり, ワクチンとの戦いが終わったなどと思わぬように」とコメント
[*] "Covid-19: Pfizer/BioNTech vaccine judged safe for use in UK from next week" Roberts M. BBC News online 2020-12-03. https://www.bbc.com/news/health-55145696
[crisp_bio] ブログ記事タイトルを「ファイザー社とビオンテック社, mRNAワクチン候補の緊急使用許可をFDAに申請」から「ファイザー社とビオンテック社のmRNAワクチン, 英国で緊急使用承認」へ改訂

2020-11-21 ファイザーとビオンテックは18日、mRNAワクチン(BNT162b2)のEUAをFDAに申請
 両社は170名のSARS-CoV-2感染者と18歳以上の8,000名以上の治験参加者からのデータなど提出; 12月にFDAのワクチンならびに関連の生物製剤に関する諮問委員会(Vaccines and Related Biological Products Advisory Committee: VRBPAC)と両社の間で公開審議が行われ、その後、委員会からの勧告 (recommendation)を受けてFDAが最終決定する; EUA承認後2020年の12月末まで、ハイリスクの層に接種可能となる。
[出典] Pfizer Webサイト "OUR COVID-19 VACCINE STUDY – WHAT’S NEXT?" 2020-11-20/2020-11-18

2020-11-18
更新 ファイザーとビオンテック, mRNAワクチンの170例の解析結果に基づいて有効率を95%へと改訂
[出典] "Pfizer and BioNTech Conclude Phase 3 Study of COVID-19 Vaccine Candidate, Meeting All Primary Efficacy Endpoints" BIONTECH. Press Release, 2020-11-18.
  • BNT162b2の有効率は95%: 第3相試験内で発生したCOVID-19患者170名のうち162名はプラセボ・グループで、ワクチン・グループは8名であった; 重症者10名の中で9名がプラセボ・グループで、1名がワクチン・グループであった。
  • 年齢、性別、人種、民族によらず有効であり、65歳以上の成人における有効率は94%を超えた。
  • 副作用は疲労 (3.8%)と頭痛 (2.0%)程度で重大な副作用は見られず、米国FDAが求める安全基準を満たした。
  • 数日のうちにFDAに緊急使用許可 (EUA)願いを提出する。
  • なお、米国FDAは17日に「EUA願いに対する判定の根拠とした科学的なデータと情報のレビュー文書を公開する」と発表した [出典] FDA Statement 2020-11-17 "COVID-19 Update: FDA’s Ongoing Commitment to Transparency for COVID-19 EUAs"
2020-11-15 更新 関連記事へのリンクを追加: 「新型コロナワクチン『効果90%』という中間結果を現時点でどう受け止めるべきか」忽那賢志 (感染症専門医, 国立国際医療研究センター). Yahooニュース 2020-11-15.

2020-11-10 更新 新型コロナウイルス: ファイザー社とビオンテック社のmRNAワクチン候補, 有効率90% (94例での判定)
[出典] NEWS "Pfizer and Biontech announce vaccine candidate against COVID-19 achieved success in first interim analysis from phase 3 study" [参考] モデルナ社のmRNAワクチンに関するcrisp_bio記事はこちら: [20201024更新] 新型コロナウイルス: モデルナ (Moderna) のmRNAワクチン第3相試験, 終盤へ
[crisp_bio注] 解析の対象とされた治験参加者数と解析を予定している治験参加者数について混乱していた点を2020年11月10日11:24 amに整理し直し、テキストを改訂 (黒下線部)しました

 11月9日にPfaizerは独BioNTechと第3相試験 (NCT04368728)を進めていたBNT162b2について、第三者委員会であるData Monitoring Committee (DMC)の解析結果として「新型コロナウイルスのスパイクタンパク質をコードするmRNAワクチン候補の第3相試験の第1回中間解析の結果、有効率 (effective)が90%を超えた」と発表した [注 論文発表は伴っていない]
  • 今回のプレスリリースは、治験開始前にはSRAS-CoV-2に感染していないことを確認し、治験中に感染が確定した94名についての解析結果である。今後、感染者164名に達するまで治験を継続し、最終判断に至る。有効率90%は、「感染者94名のうち90%が偽薬グループであり、ワクチン接種グループは10%未満」を意味する
  • ワクチンを接種したグループとプラセボ (偽薬)を接種したグループについて、第2回目の接種をしてから7日目 (第1回接種から28日目)の時点でのデータ解析に基づいている。
  • 安全性マイルストーンを達成次第 (11月第3週を目指している)、FDAに緊急使用許可* (EUA)を申請する。[*] FDAのEUAの審査は数週間を要すると言われているところ、FDAは9月にCOVID-19ワクチンについては承認へのハードルを上げると発表している: "FDA Setting Higher Bar for Emergency Covid Vaccine Clearance" Edney A. Bloomberg. 2020-09-11
  • 7月27日に開始した第3相試験の治験参加者は43,538名に達し、11月8日までに38,955名が第2回接種を完了したところで、重大な安全性の問題は発生していない [注: 治験参加者の42%は人種・民族が多様]
  • 治験参加者の追跡調査を、第2回接種から2年間継続する。
  • 2020年のうちに接種5,000万回分 (2回接種のため2,500万人分), 2021年に13億回分を生産する予定でいる。また、第3相試験のフルレポートを査読付き論文誌に投稿する予定である [参考: 第1相試験からの論文: "Immunogenicity and structures of a rationally designed prefusion MERS-CoV spike antigen" Walsh et al. NEJM 2020-10-14]
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2020-10-15 初稿: 新型コロナウイルス: 独BioNTechと米ファイザーのmRNAワクチン治験, 12-17歳も対象に
[出典] "Will Kids Get A COVID-19 Vaccine? Pfizer To Expand Trial To Ages 12 And Up" Aubrey A. NPR News. 2020-10-13.

 両社は、SARS-CoV-2のスパイクタンパク質をコードするmRNAワクチンの第1/2相試験を
米国とドイツで進めていたが、その良好な中間結果に基づいて、18-85歳を対象としてワクチン候補 'BNT162b2'を30μgを2回投与する3万人規模の大規模な第2/3相試験を開始すると、2020年7月27日に発表 [1]した。続いて、3万人規模の達成が見えてきたところで、9月12日に、治験を44,000人規模へと拡張すると発表 [2]した。

 その後、10月13日になって、FDAが12~17歳を治験の対象とすることを承認したことが一斉に報道された。この間に、SARS-CoV-2は成人だけでなく子供たちにも感染し (50万人を超えるとも言われている)、多くは軽症または無症状であるが、他への感染能を帯びることが明らかになっていた。

 ファイザー社のWebサイト [3]によると、第2/3相試験は、4ヶ国120ヵ所で進行中であり、参加者は37,864名に達し (56-85歳が42%)、そのうち、31,062名が2回目の接種を終えている。
なお、参加者に占めるアジア系の割合は4%である。

[参考] 

 米国NIHとFDAが共同でNLMから公開している治験登録データベースClinicalTrials.govには、2020年10月15日の時点で、COVID-19/SARS-CoV-2を対象とするワクチンや抗体医薬などの治験が3,611件登録されている (同一主催者からの複数登録もカウント)。独BioNTechと米ファイザー両社の第2/3相試験のデータベース登録番号はNCT04368728である。

[ファイザー社からの情報公開]
  1. "ファイザーとBioNTech、COVID-19に対するmRNAワクチン候補を決定し、国際共同第2/3相試験を開始" ファイザー株式会社, 2020-07-29
  2. "ファイザーとBioNTech、COVID-19ワクチン主要試験の拡大を提案"ファイザー株式会社, 2020-09-14
  3. Webサイト: OUR PROGRESS IN DEVELOPING A POTENTIAL COVID-19 VACCINE https://www.pfizer.com/science/coronavirus/vaccine