[出典] "A CRISPR-Cas9 screen identifies mitochondrial translation as an essential process in latent KSHV infection of human endothelial cells" Holmes DL, Vogt DT, Lagunoff M. PNAS. 2020-10-29.
University of Washington, Seattleの研究チームは今回、ゲノムワイドCRISPR-Cas9スクリーンにより、KSHV (カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス)の内皮細胞 (紡錘細胞)への不顕性感染の必須遺伝子の多くがミトコンドリア翻訳関連遺伝子を含むミトコンドリアに局在することをはじめとして、KSHV不顕性感染とミトコンドリアバイオロジーが相関するエビセンスを見出した:
- バクテリアとミトコンドリアの翻訳を阻害する抗生物質が、KSHV不顕性感染細胞の増殖を阻害し、感染患者由来の原発性浸出液リンパ腫初代細胞の細胞死を亢進する。
- ミトコンドリア呼吸の直接阻害またはミトコンドリアゲノムの損傷によって、KSHV不顕性感染細胞の細胞死が亢進する。
- KSHV不顕性感染によって、ミトコンドリアの数は減少するが、ミトコンドリアのサイズ、ゲノムのコピー数および転写レベルが上昇する。
- 不顕性感染しているKSHVの複数の遺伝子産物がミトコンドリアに局在する。
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