[出典] "Multiplexed tat-Targeting CRISPR-Cas9 Protects T Cells from Acute HIV-1 Infection with Inhibition of Viral Escape" Ophinni Y, Miki S, Hayashi Y, Kameoka M. Viruses 2020-10-28.
CRISPR-Cas9を介したプロウイルスのノックアウトによるHIV-1治癒は、gRNAに対するHIV-1の耐性発生によって、奏功していない。神戸大学大学院の研究チームは今回、HIV -1の調節遺伝子を多重なgRNAで標的することで、ウイルスの逃避を阻害する戦略を提案・実証した。
- T細胞において、HIV-1のtatとrevを標的とする単一または多重なgRNAsを伴うCas9遺伝子編集を試み、tatを標的とする三重のgRNAsによって、ウイルス逃避の阻害 (ウイルスp24抑制)と細胞生存を両立した。
- 多重tat gRNAsは、再感染実験において、初期のウイルス複製と細胞間感染を阻止し、45日間その機能が維持された。
- また今回初めて、tatとrevを標的とする三重または六重のsgRNAsを含むオールインワンでかつ有効なレンチウイルスベクターを実現した。
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