[出典] "Digital CRISPR/Cas-Assisted Assay for Rapid and Sensitive Detection of SARS-CoV-2" Park JS, Hsieh K, Chen L, Kaushik A, Trick AY, Wang TH. Adv Sci. 2020-11-20. https://doi.org/10.1002/advs.202003564
[注] deCOViD: digitization‐enhanced CRISPR/Cas‐assisted one‐pot virus detection

 2017年から2018年にかけて発表されたCRISPR/Casをベースとする超高感度な核酸検出システムSHERLCOKとDETECTRおよびそれらに類したシステムによる新型コロナウイルス検査システムが2020年前半には実用化され、また、検体から抽出したSARS-CoV-2 RNAのRT-RPA/RT-LAMP法による増幅とCas13またはCas12aによるアッセイとの一体化 (ワンポット化)も進んできた。

 Johns Hopkins Universityの研究グループは今回、ワンポットRT-RPA/Cas12aの検査システムを、市販のQuantStudio 3D  Digital  PCR  20K  Chipを介して、デジタル化 [*]することで、より高速かつ高感度なシステムdeCOViDに至った。
[*] [総説] Digital Biology. 野地博行. 生物物理 2015-04-08受理. https://doi.org/10.2142/biophys.55.196
  • 従来のDETECTR流のバルクでの判定に対して、deCOViDは、判定時間が短縮され、シグナル/バックグランド比が高く、ダイナミックレンジが広く、感度が高い。
  • deCOViDは、チップ上の陽性ウエル (0.7-nL)をカウントすることで判定し、1 GE**/μL (~15 GEに相当) ~ 500 GE/μLにわたって検出可能である。 [**] GE: RNA genome equivalents
  • deCOViDは、検体からRNAを抽出することなく、熱失活させたウイルスを対象としても判定可能であり、この場合の検出限界も、バルクの100  GE/μLに対して20  GE/μLと、高感度であ利、判定時間も30分と高速である。
  • 臨床サンプルの陽性2件、陰性1件、およびインフルエンザウイルス陽性1件でテストした結果、陽性2件を同定し、インフルエンザウイルスサンプルについては陰性サンプルと同じ反応を示した。
 [関連crisp_bio記事と論文など]
  • crisp_bio 2020-11-12 CRISPR-Cas12aをベースとする新型コロナウイルスとインフルエンザウイルス (IAVとIAB)のPOCT
  • crisp_bio 2020-11-03 新型コロナウイルスの検出を可能とするワンポット/ワンチューブRT-LAMP-CRISPRプラットフォーム (2報)
  • crisp_bio 2020-09-22 新型コロナウイルス: 超高感度/高効率/低コストな検査をRNA抽出からワンポットで実現
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  • "Applying biosensor development concepts to improve preamplification-free CRISPR/Cas12a-Dx" Hsieh K, Zhao G, Wang TH. Analyst 2020-07-01.