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論文・記事紹介:CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム工学, エピゲノム工学, 代謝工学/遺伝子治療, 分子診断/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野); タンパク質工学;情報資源・生物資源;新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症;研究公正

[出典] "CRISPR/Cas9 gene editing of hepatitis B virus in chronically infected humanized mice" Stone D [..] Jerome KR. Mol Ther-Meth Clin D. 2020-11-26. https://doi.org/10.1016/j.omtm.2020.11.014

 Fred Hutchinson Cancer Research Center, University of Washington, Seventh Wave Laboratories LLCおよびUniversity of Albertaの研究グループは今回、ヒト肝細胞を移植したFRGマウスをプラットフォームとして、HBVゲノムを標的とするSaCas9システムの抗HBV効果を分析した。
  • モデルマウスにHBVを感染させ、ウイルス血症を発症していることを確認し、抗ウイルス剤のエンテカビル (entecavir)を17日処方した後(HBV感染後144日目)に、SaCas9とHBVゲノムの2ヶ所を標的とする2種類のsgRNAsを肝臓指向性アデノウイルスベクター (AAVLK03ベクター)でデリバリーした。
  • AAV-SaCas9処理後も、HBV複製を抑制した状態でのSaCas9-sgRNAsの効果を見るために、27日間エンテカビルを投与し、その時点と、その後、エンテカビル投与を停止しAAV-SaCas9処理後62後の時点で、モデルマウスの肝臓を分析した。
  • SaCas9によるHBVゲノム編集は8個体中5個体の肝臓において確認できた。
  • AAV-SaCas9はモデルマウスを損傷することなく、肝細胞内のHBVに中程度 (moderate)であるが変異を誘導し、ヒト肝細胞の生存期間を伸ばす効果を示し、HVBのDNAおよびcccDNAのレベルの低下させる効果も示した。
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