2021-05-07 ブースター接種と若年者への接種
  • 英紙タイムズは、英国では新型コロナの脅威をクリスマ スまでに完全に排除することを目的として,秋に50歳以上を対象に3回目の 新型 コロナウイルスワクチン接種 (ブースター接種)を実施する見通しだと伝えた。3回目の接種には,変異株対応版のワクチン,または,ファイザー ・ビオンテック,オックフォード・アストラゼネカ ,またはモデルナのいずれかを,想定している.[出典] "Third Covid vaccine for over-50s before winter" Dunn TN. THE TIMES. 2021-05-05 09:00 BST. https://www.thetimes.co.uk/article/third-covid-vaccine-for-over-50s-before-winter-jhpj57g0d
  • カナダ政府はファイザー ・ビオンテックのワクチンの16歳以上への接種を承認していたが,第3相試験の成績に基づいて,5日,12~15歳への接種も承認した [出典] BBC NEWS JAPAN. 2021-05-06 JST.  https://www.bbc.com/japanese/57004644
  • モデルナ社,mRNA-1273の2回接種に加えて,mRNA-1273または変異株対応mRNA-1273.351を接種 (ブースター接種)することで,SARS-CoV-2とその変異株 (B.1.351とP.1)に対する中和力が増加すると発表した.また,12~17歳を対象とするTeenCOVE第2/3相試験 [https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04649151] の最初の解析結果から,有効性96%で重大な安全性の事象は確認されていないと,プレス発表した [出典] "Moderna Reports First Quarter Fiscal Year 2021 Financial Results and Provides Business Updates" Moderna. 2021-05-06. 07:03. Moderna. https://investors.modernatx.com/news-releases/news-release-details/moderna-reports-first-quarter-fiscal-year-2021-financial-results
  • カナダ政府はファイザー ・ビオンテックのワクチンの16歳以上への接種を承認していたが,第3相試験の成績に基づいて,5日,12~15歳への接種も承認した [出典] BBC NEWS JAPAN. 2021-05-06 JST.  https://www.bbc.com/japanese/57004644
2021-04-29 ワクチンの有効性について2報
1. 米国にて,〜5万人近いコホートで,mRNAワクチンの有効性 >96%を確認
[出典] "Effectiveness of mRNA COVID-19 vaccines against SARS-CoV-2 infection in a cohort of healthcare personnel" Swift MD et al. Clinical Infectious Diseases. 2021-04-26. https://doi.org/10.1093/cid/ciab361
 Mayo Clinicの研究グループが,米国でファイザー /ビオンテックまたはモデルナのmRNAワクチンを接種した医療従事者49,220人の大規模なコホートにおいて,有効性が96%以上であったと報告した.第3相試験から報告されていた有効性が実社会で実証されたことになる.
2. 英国公衆衛生庁 (Public Health England, PHE)の調査結果をBBCが報道
[出典] "Covid: One dose of vaccine halves transmission - study" BBC NEWS. 2021-04-28. https://www.bbc.com/news/health-56904993
 ファイザー/ビオンテックまたはアストラゼネカ/オックスフォード大のワクチンを1回接種し,その後の3週間でCOVID-19に感染した人々を調べ,ワクチン接種者は他に感染させる確率が,ワクチン非接種者よりも38〜49%低いとの結果を得た.また,この感染拡大抑制効果は,ワクチン接種から2週間ほどで確認できた.
2021-04-15 新型コロナウイルスワクチンのWikipedia日本語版記事が何時の間にか充実していた:
https://ja.wikipedia.org/wiki/トジナメラン (ファイザー・ビオンテック製)
https://ja.wikipedia.org/wiki/AZD1222 (オックスフォード・アストラゼネカ製) 
2021-04-07 新型コロナウイルスのmRNAワクチンは,一般への接種が始まってからも,第3相試験での有効性と安全性をほぼ再現している. 例えば,米国CDCからのニュース[*]によると.医療従事者,ファーストレスダーおよびエッセンシャルワーカーなど,感染リスクが高い人々への接種後の経過から,一回接種から2週間以後感染リスクが80%減,2回接種から2週間以後感染リスクが90%減
[*] CDC Real-World Study Confirms Protective Benefits of mRNA COVID-19 Vaccines. CDC Newsroom Releases. 2021-03-29 11:00 ET. https://www.cdc.gov/media/releases/2021/p0329-COVID-19-Vaccines.html
 SARS-CoV-2のゲノム配列が公開されてから専門家の当時の予想を良い意味で裏切って極めて短期間で緊急使用許可を獲得するまでに至ったmRNAワクチン開発に関するcrisp_bio記事へのリンクを改めて,ここに記載した:[20201118更新] 新型コロナウイルス: 新興感染症に備えてきたmRNAワクチン開発から産まれたモデルナのmRNA-1273. https://crisp-bio.blog.jp/archives/23810396.html

2021-04-05  ファイザー社が3月31日から4月1日にかけて「(mRNAワクチンBNT162b2について12-15歳に有効性100%; 6ヶ月後の有効性91.3%; 重症予防効果 95.3%; 南ア由来変異株にも有効」とプレス発表 [参照: [20210405更新] 新型コロナウイルス: ファイザー社とビオンテック社のmRNAワクチン'BNT162b2' - 2021-04-05の投稿参照 https://crisp-bio.blog.jp/archives/24484684.html]
 
2021-03-23 日本医学会連合会*「COVID-19 ワクチンの普及と開発に関する提言」2021年3月22日
[*] 日本感染症学会, 日本集中治療医学会, 日本救急医学会, 日本内科学会, 日本呼吸器学会, 日本血液学会, 日本循環器学会, 日本糖尿病学会, 日本老年医学会, 日本リウマチ学会, 日本外科学会, 日本血栓止血学会, 日本移植学会, 日本小児科学会, 日本産科婦人科学会, 日本精神神経学会, 日本消化器内視鏡学会, 日本産業衛生学会, 日本疫学会, 日本呼吸療法医学会, 日本口腔科学会
https://www.jmsf.or.jp/uploads/media/2021/03/20210322161544.pdf
<目次>
はじめに
1. COVID-19 の感染制御に、ワクチンが期待されています。
2. COVID-19 ワクチンのはたらきについて理解が必要です。
3. COVID-19 ワクチンの有効性の確認が重要です。
4. COVID-19 ワクチンの安全性の確認が重要です。
5. mRNA ワクチン接種後のアナフィラキシーについて注意と検証が必要です。
6. 長期的なワクチンによる有害事象の観察が必要です。
7. ワクチンの有効性に影響を与える「変異株」のサーベイランスが重要です。
8. 高齢者等の優先接種者へのすみやかな接種が望まれます。
9. 安全なワクチン接種体制を準備しておくことが必要です。
10. 接種する医師・看護師は適切な筋肉内注射の方法を熟知する必要があります。
11. 適切なワクチンリスクコミュニケーションが重要です。
12. ワクチン接種後も基本的な感染対策が重要です。
13. 安全で有効な国産COVID-19ワクチンの開発が求められます。
おわりに

2021-03-22 17:50
変異株とワクチンに関するcrisp_bio投稿へのリンクを以下に追加:
2021-03-22 07:10 Cell Host & Microbeを出版しているCell Press社がツイートした「ウイルスが変異を介してヒト細胞に接着・侵入・増殖・攻撃する能力を高める図」を以下に引用: 変異によってスパイクタンパク質RBDのコンフォメーション(形状)が変化 - ACE2への結合親和性が高まる - 免疫回避能が高まる - 細胞への侵入性が高まる - 体内での複製(増殖)能が高まる -  病原性が高まる - ヒト集団内での伝播性が高まる, 致死率が高まる; どの特性をどの程度獲得するかは変異株によって異なり、また、ワクチンのバージョンアップの必要性も変異株によって異なる。2021-03-21 19:45 Centre de Recherche du CHUM (モントリオール)の研究者が、新型コロナウイルスの変異体と、ワクチンが誘導する免疫応答、回復者血清内在免疫応答、あるいは抗体分子がもたらす免疫応答からの回避能の相関関係を、Cell Host & Microbe誌から最近相次いで刊行された3論文を中心に11論文をベースとしてレビューし、再感染、ワクチンの有効性、および免疫療法に影響を及ぼず新たな変異体に備え制御するために、SARS-CoV-2変異体のサーベイランスが重要であるとした。
[出典] PREVIEW "The great escape? SARS-CoV-2 variants evading neutralizing responses" Prévost J, Finzi A. Cell Host & Microbe. 2021-03-10. https://doi.org/10.1016/j.chom.2021.02.010 

2021-03-21 14:20 
南アフリカ由来変異株とブラジル由来変異株は、ヒトACE2を帯びていないマウス肺で増殖する: [出典] "The B1.351 and P.1 variants extend SARS-CoV-2 host range to mice" Montagutelli X [..] Simon-Loriere E. bioRxiv 2021-03-18 [査読無し投稿] https://doi.org/10.1101/2021.03.18.436013
 フランスは3月20日から、英国由来変異株B.1.1.7が猛威を振るい一日当たりの新規感染者が3万人を超えパリなどで3回目のロックダウンを始めた [*1]。フランスではまた、従来のPCR検査では陰性判定になってしまう変異株が報告された [*2]。
 Institute Pasteurを主とするフランスの研究グループは今回、新型コロナウイルスの感染例が報告されていなかった研究室マウスに南アフリカ由来変異株とブラジル由来変異株が感染し、増殖することをbioRxivに投稿した。
  • 地球規模でのSARS-CoV-2の蔓延は多様な変異株の発生を伴っている。その中には、伝播性や免疫回避能 [*3]が高まり、中には致死性も高まった一連の"懸念される変異株/Variants of Concern (VOC)"が含まれている。
  • [*3] ワクチンBNT162b2または感染が誘導する中和抗体を回避: "SARS-CoV-2 variants B.1.351 and P.1 escape from neutralizing antibodies" Hoffmann M [..] Pöhlmann S. Cell 2021-03-20. https://doi.org/10.1016/j.cell.2021.03.036; ワクチンが誘導する液性免疫を回避: "Multiple SARS-CoV-2 variants escape neutralization by vaccine-induced humoral immunity" Garcia-Beltran WF [..] Balszs AB. Cell 2021-03-12. https://doi.org/10.1016/j.cell.2021.03.013; crisp_bio 2021-03-15 新型コロナウルス変異株7種類に対するmRNAワクチン接種の効果. https://crisp-bio.blog.jp/archives/25840577.html
  • 研究グループは今回、英国由来変異株B.1.1.7、南アフリカ由来変異株B.1.351、およびブラジル由来変異株P.1、いずれもマウスACE2を発現する細胞に感染し、その中でB.1.351とP.1についてはマウス成体の肺において高力価まで複製されることを発見した。
  • ただし、変異株感染マウスは無症状であり体重の減少も見られなかった。
  • 今回の報告では、マウス間の感染およびマウスとヒトの間の感染は特定されておらず、マウスが、変異株のリザーバになるか否かは不明である。
[注] 
  • 3種類のVOCはいずれもウイルスのヒトACE2への結合親和性を高める変異N501Yを帯びB.1.351とP.1は免疫回避能 [*]に貢献するとされるE484K変異を帯びている
  • B.1.1.7は、致死性を高めると報告されている。
  • 野生株 (いわゆる武漢株)はマウスACE2には結合しないとされている.
2021-03-13 忽那賢志感染症専門医 "今後新型コロナの流行は、ワクチン接種の進み具合と、変異株の拡大との勝負になりそうです" とツイート:2021-03-09 University of Texas Medical Branch, Pfizer Vaccine Research and Development, およびBioNTechの研究グループが、BNT162b2ワクチンは、英国変異株 (B.1.1.7系統), 南アフリカ変異株 (B.1.351系統), およびブラジル変異株 (P.1系統)に対して有効とNEJM誌にて発表した [出典] "Neutralizing Activity of BNT162b2-Elicited Serum" New Engl J Med. 2021-03-08. https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMc2102017]。
 2020年1月とパンデミックの初期に分離されたUSA-WA1/2020株のスパイクタンパク質に、英国変異株 (B.1.1.7系統), 南アフリカ変異株 (B.1.351系統), およびブラジル変異株 (P.1系統)の変異をそれぞれ見られるスパイクタンパク質の変異を導入した組み換え体 (B.1.1.7-spike, B.1.351-spike, およびP.1-spike) と、B.1.351系統の変異の一部を導入した組み換え体2種類 (B.1.351-∆242-244+D614GとB.1.351-K417N+E484K+N501Y+D614G)を作成し、それらに対するBNT162b2接種がもたらす血清の中和活性を比較した。
  • はじめに、5種類が全てmLあたり10の7乗のプラークを形成することを確認した。
  • 治験参加者15名から、2回接種から2週間後または4週間後に採取した血清について、50%プラーク減少中和試験 (50% plaque reduction neutralization test,  PRNT50)を行った。
  • 全ての血清が、USA-WA1/2020と変異体モデル5種類全てに対して中和活性を示した。 幾何平均抗体価 (geometric mean titer, GMT)は、USA-WA1/2020, B.1.1.7-spike, P.1-spike, B.1.351-spike, B.1.351-∆242-244+D614G, and B.1.351-K417N+E484K+N501Y+D614Gに対して、それぞれ、532, 663, 437, 194, 485, および331となった。
  • 中和活性を示しつつも南アフリカ株モデルB.1.351-spikeでの低下幅が大きいこと、および、ヒト受容体結合ドメイン (RBD)上の変異 "K417N+E484K+N501Y"の影響が比較的大きなことが見えて来た。
  • 本投稿の最終段落は、この実験の限界を論じながら、臨床分離株での検証が必要と結ばれている。
  • [crisp_bio注] このNEJM投稿は、少なくともB.1.351変異株については、オックスフォード大学を中心とするグループが、Public Health Englandから入手したSARS-CoV-2/B.1.351株を感染させたVero細胞で行った実験からの結論、「B.1.351は、回復者血清とワクチン接種血清から逃避する」と整合しない: "Evidence of escape of SARS-CoV-2 variant B.1.351 from natural and vaccine induced sera" Zhou D, Dejnirattisai W, Supasa P, Liu C, Mentzer AJ [..] Mongkolspaya J, Ren J, Stuart DI, Screaton GR. Cell. 2021-02-23 [Journal Pre-proof]. https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0092867421002269; [20210309更新] 新型コロナウイルス: 南アフリカに特有の変異株 - 2021-03-09 10:20 amの項
    https://crisp-bio.blog.jp/archives/25121488.html
2021-03-06 専門家による新型コロナウイルス全般とワクチンに関する情報提供サイトへのリンク追加
  • 忽那賢志ブログ: 感染症専門医。2004年に山口大学医学部を卒業し、2012年より国立国際医療研究センター 国際感染症センターに勤務。感染症全般を専門とするが、特に新興再興感染症、輸入感染症の診療に従事し、水際対策の最前線で診療にあたっている
    https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/
  • COVーNav:「こびナビ」は新型コロナウイルス感染症や新型コロナウイルスワクチンに関する正確な情報を皆さんにお届けするプロジェクトです。https://covnavi.jp/manager/
  • これでわかる! 新型コロナワクチン情報: 最前線でコロナと闘う専門家が、“わかりやすさ”と統計情報にこだわってコロナのワクチンを易しく解説します。https://medicalnote.jp/covid19-vaccine/
2021-02-07 ワクチンの有効性の観点からも関心を集めている英国, 南アフリカ, およびブラジル由来の変異株に関して、Scripps Research Translational Institute所長Eric Topolのツイートと忽那賢志感染症専門医のYahoo'ニュースへのリンク [*]を以下に追加
  • Eric Topol所長の一連のツイートの#8に変異株の特徴が一覧表にまとめられている:
2021-01-31 2021-01-31 16.52.49COVID-19ワクチンを打たない手はない:
 参照データとして, 米国ブラウン大学公衆衛生大学院学部長Ashish K. Jha博士のツイートと、それを聖路加国際病院QIセンター感染管理室マネジャー坂本史衣博士が和訳したツイートを、右図に引用。
 また、ワクチン接種は、接種を受けた当人を保護するだけでなく、集団全体の保護に貢献することにもなることでもあり。

2021-01-01 日本RNA学会のWebサイトから公開されたmRNAワクチンに関する会報記事2本の紹介とリンクを以下に追加:
  1. mRNAワクチン:新型コロナウイルス感染を抑える切り札となるか? 飯笹 久 (島根大学医学・看護学系)  - mRNAワクチンをもたらしたブレークスルー, ファイザー/ビオンテック社とモデルナ社のmRNAワクチンの違いに加えて共通の課題 (温度管理, アレルギー, 自己免疫疾患)について解説。なお、アレルギーと自己免疫疾患について、mRNAワクチンは最終的には体内で分解されることから、頻度は稀としている。
  2. <走馬灯の逆廻しエッセイ> 第28話「コロナウイルスへのメッセンジャーRNAワクチン」古市康宏 (元ロシュ研究所/ジーンケア研究所) - mRNAワクチン製造技術について, RNA学の研究成果と照らし合わせながら詳細に解説, 2種類のmRNAワクチン, 12月30日に英国が緊急使用を承認*したアストラゼネカ社とオックフフォードが共同開発したウイルスベクターワクチンAZD1222 (AstraZeneca Press Release 2020-12-30)などについても簡潔に解説。
  3. [*] 中国は12月31日にシノファームが有効性79%とした不活性化ワクチンを条件付きで承認した (NHK Web 2020-12-31)
2020-12-31 「新型コロナウイルスワクチン開発ストーリ」の項を文末に追加
2020-12-30 初稿
 本記事は、ファイザー社/ビオンテック社とモデルナ社のmRNAワクチンやSARS-CoV-2変異体に関する本ブログの記事内に書き込んだ標題雑感を抜き出し、日本感染症学会の提言と、イェール大学の岩崎明子教授らによるCell誌掲載コメンタリーの引用記事へのリンクを添えて、独立の記事として投稿し直したものです。
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2020-12-29 11:31 a.m. 新型コロナウイルスのmRNAワクチンとウイルス感染症 [crisp_bioの雑感]
  • モデルナ社のワクチンもファイザー社とビオンテック社のワクチンもいずれも、ウイルス変異株のゲノム配列が特定され次第、従来のウイルスの弱毒化や不活性化から始まるワクチンに比べれば、極めて短期間で開発することが可能である。
  • 今回の開発で、mRNAワクチンに関する開発・評価・大量生産に加えてロジスティックスのノウハウが蓄積され、また、今後、安全性のデータが蓄積されていくことから、仮に、現行mRNAワクチンに対する耐性を帯びた新型コロナウイルスの変異株が発生したとしても、緊急使用可能なmRNAワクチンの迅速生産を期待できそうである。
  • いずれにしても安全性の観点からは、SRAS-CoV-2に対するmRNAワクチン (mRNAワクチンそのものと、それをヒト細胞へ送り組むために利用されている脂質ナノ粒子*の双方)のヒトに対する影響を数十年にわたって追跡していくことが必須と思う。 [* ]参考crisp_bio記事 mRNA癌ワクチンに一歩近づく脂質ナノ粒子を開発
  • また、新型コロナウイルスに限らず再興・新興感染症に対して"強靭な"社会を作り上げていくことも必要かと思う。例えば、野生生物から人へのウイルス感染を抑制する社会システムや、新たなウイルス感染症や変異株を短期間に発見し拡散を抑制する技術と体制の整備が必要と思う。これは、津波や氾濫に備えて防潮堤や堤防を築くことや、敵国からの攻撃に備えてイージス艦や戦闘機を備えるに似ているが、そのコストは、今回計上された予備費の規模で賄えていけるのではなかろうか。
2020-12-30 "COVID-19ワクチン に関する提言 - 第1版" 日本感染症学会ワクチン委員会 2020-12-28: PDF https://www.kansensho.or.jp/uploads/files/guidelines/2012_covid_vaccine.pdf
  • 開発状況
  • 作用機序: 生ワクチンと不活性化ワクチン; mRNAワクチン; ウイルスベクターワクチン
  • 有効性: 評価方法; COVID-19ワクチンの有効性/有効率
  • 安全性: 有害事象と副反応; 臨床試験における有害事象/COVID-19ワクチンの臨床試験における1回目接種後の有害事象の頻度; COVID-19ワクチンの臨床試験における2回目接種後の有害事象の頻度; 長期的な有害事象の観察の必要性
  • 国内での接種の方向性: 優先接種対象者; 予防接種法の改正[*];接種体制の確保 [* ... COVID-19ワクチンの接種類型は臨時接種となり、国が接種を勧奨するとともに、国民には努力義務が課せられることになりました。費用の自己負担はなく、健康被害に対する救済も高水準で実施されます。....]
  • 終わりに [ワクチンも他の薬剤と同様にゼロリスクはあり得ません。病気を予防するという利益と副反応のリスクを比較して、利益がリスクを大きく上回る場合に接種が推奨されます。.......].
2020-10-17 ワクチンはなぜ効くのか
[出典] Commentary "Why and How Vaccines Work" Iwasaki A, Omer SB (Yale U. School of Medicine). Cell 2020-10-15. https://doi.org/10.1016/j.cell.2020.09.040
2020-12-31 新型コロナワクチン開発ストーリー
  • crisp_bio [20201130更新] 新型コロナウイルス: 超速のタンパク質構造解析, ワクチン開発も https://crisp-bio.blog.jp/archives/22970447.html
  • crisp_bio [20201118更新] 新型コロナウイルス: 新興感染症に備えてきたmRNAワクチン開発から産まれたモデルナのmRNA-1273 https://crisp-bio.blog.jp/archives/23810396.html
  • ロックフェラー大学の船引宏則教授ツイート22本: 米ファイザーと独BioNTechの新型コロナウイルスに対する革命的なmRNAワクチンの接種が明日から始まるが、このワクチン開発にいたるまでの経緯が実に感慨深いので紹介してみる。まさに、大逆転ストーリー