[出典] "Sequential Activation of Guide RNAs to Enable Successive CRISPR-Cas9 Activities" Clarke R [..] Merrill BJ. Mol Cell. 2020-12-20. https://doi.org/10.1016/j.molcel.2020.12.003

 代謝工学や合成生物学には細胞内で一連の遺伝子群を制御するツールが必要であったところ、CRISPR技術の登場によって、SpCas9とそのホモログおよび多重なsgRNAsを介して多重遺伝子編集が容易になった。University of Illinois at Chicagoの研究グループは、その新たなバリエーションを開発した。
  • 他のsgRNAによって活性化する"an inactive sgRNA-like component" (以下、sgRNA様因子)を考案し、sgRNA様因子を順次活性化することで、哺乳類細胞における遺伝子編集の順次進行の設計と実行を実現した [論文のGraphical Abstract参照]。
  • sgRNA様因子は、自身を切断するリボザイム配列を、通常のsgRNAのテトラループまたはヘアピン1に挿入した因子であり、他のsgRNAとSpCas9によってリボザイム配列が除去されることで、sgRNAとして活性化する。
  • 著者らは、生体内で代謝されることで薬理活性を発揮するプロドラッグ(prodrugの概念に倣って、sgRNA様因子をproGuideと呼び、活性状態になったsgRNAをmatureGuideと呼んだ [proGuideの設計詳細について論文Figure 1参照]。
  • 著者らはproGuidesを目的にあわせて設計することで、デージーチェーン型に遺伝子編集が順次進行する系 [論文Figure 5参照]と、分岐型のカスケード状に遺伝子編集が進行する系 [論文Figure 6参照]の概念実証実験に成功した。