[出典] "Efficient CRISPR-mediated base editing in Agrobacterium spp." Rodrigues SD [..] Van Montagu M [..] De Coninck B, Pauwels L. PNAS 2021-01-12. https://doi.org/10.1073/pnas.2013338118

 KU LeuvenとGhent Universityを主とする研究グループは今回、アグロバクテリウムによる植物への遺伝子導入と遺伝子編集の効率化を目指して、ウミヤツメ由来の活性化誘導チジジンデアミナーゼオーソログのPmCDA1を組み込んだ塩基エディターTarget-AIDによるアグロバクテリウムの遺伝子編集を試みた。
  • Target-AIDは出芽酵母, Corynebacterium glutamicum, Streptomycetes sppなどの遺伝子編集に利用されてきたが、今回、プロモーターとしてA. tumefaciens virBプロモーターを利用することで、アグロバクテリウムの遺伝子編集にも展開可能なことを実証した実現。
  • 植物形質転換に広く利用されてきたAgrobacterium tumefaciens EHA105とA. rhizogenes NCPPB2659を対象とした。
  • Target-AIDの効率は少なくとも80%に達し、A. tumefaciensrecA 機能喪失変異体が野生型と同等の形質転換能を有することや、A. rhizogenesの RolBとRolCが毛状根発生に重要であることを同定するに至った。
  • 全ゲノムリシーケンシングによりオフターゲットが最小限であることも同定した。
 [関連論文とcrisp_bio記事]
  • "Deaminase-mediated multiplex genome editing in Escherichia coli" Banno S, Nishida K, Arazoe T, Misunobu H, Kondo A. Nat Microbiol 2018-02-05  - Target-AIDにより大腸菌において少なくとも41遺伝子座で構成される主要なマルチコピーのトランスポザーゼ遺伝子を編集
  • CRISPR関連文献メモ_2016/08/06  [第1項] Target-AID: 二本鎖DNA(dsDNA)切断とドナーDNA(テンプレート)を必要としない点変異導入法