[出典] "The TRACE-Seq method tracks recombination alleles and identifies clonal reconstitution dynamics of gene targeted human hematopoietic stem cells" Sharma R, Dever DP, Lee CM, Azizi A [..] Bao G, Porteus MH, Majeti R. (bioRxiv 2020-05-28)
Nat Commun 2021-01-20. https://doi.org/10.1038/s41467-020-20792-y
血液系や免疫系の遺伝性疾患を、患者由来の責任変異を帯びたHSPCs (造血幹細胞・前駆細胞)をex vivoで修復・増殖したのちに患者に戻すことで患者の造血系や免疫系を修復する自家移植の手法が注目されてきた。その中で、HSPCsにおいて疾患責任変異を高効率かつ高精度で修正する技術は、CRISPR/Cas9システムに相同組換えのテンプレートとなるDNAドナー組み合わせることで実現したが、修正を加えたHSPCsが患者体内で造血系を再構成する過程を追跡する技術は不十分であった。
Stanford UniversityとRice Universityの研究グループは今回、バーコード配列を組み込んだAAV6ドナーテンプレートのライブラリーを利用することで、疾患責任変異の修正に加えて、in vivoでのHSPCsの分化の追跡を可能とするTracking Recombination Alleles in Clonal Engraftment using sequencing (TRACE-Seq)を開発した。
Nat Commun 2021-01-20. https://doi.org/10.1038/s41467-020-20792-y
血液系や免疫系の遺伝性疾患を、患者由来の責任変異を帯びたHSPCs (造血幹細胞・前駆細胞)をex vivoで修復・増殖したのちに患者に戻すことで患者の造血系や免疫系を修復する自家移植の手法が注目されてきた。その中で、HSPCsにおいて疾患責任変異を高効率かつ高精度で修正する技術は、CRISPR/Cas9システムに相同組換えのテンプレートとなるDNAドナー組み合わせることで実現したが、修正を加えたHSPCsが患者体内で造血系を再構成する過程を追跡する技術は不十分であった。
Stanford UniversityとRice Universityの研究グループは今回、バーコード配列を組み込んだAAV6ドナーテンプレートのライブラリーを利用することで、疾患責任変異の修正に加えて、in vivoでのHSPCsの分化の追跡を可能とするTracking Recombination Alleles in Clonal Engraftment using sequencing (TRACE-Seq)を開発した。
- TRACE-SeqのAAV6ドナーテンプレートには、左右の相同アームの間に、遺伝子インフレームのサイレント変異、または、タンパク質コーディング領域外にセミ-ランダム (semi-randomized)ヌクレオチド配列、を組み込んだ [原論文 Fig.1 参照]。
- 鎌状赤血球症やβサラセミアに関与するヘモグロビン構成タンパク質HBBをモデルとして、その遺伝子の第1エクソンのインフレーム (先頭の9アミノ酸)に約20,000種類のユニークなサイレント変異を導入するAAV6ドナーテンプレートのライブラリを利用した。
- TRACE-Seqによって、HSPCのミエロイド系偏重 (myeloid-skewed)クローン, リンパ球系偏重 (lymphoid-skewed)クローン, およびバランスのとれた多系統HSPCクローンの再構成を追跡した。
- クローン追跡から得られた膨大なデータを解析し生物学的意味を抽出可能とするデータ解析パイプラインを構築した。
- TRACE-seqによって、Cas9 RNPとAAV6を介して、造血システムのミエロイド系列とリンパ球系列を着実に再構成する単一の造血幹細胞を標的とする遺伝子修正が可能なことを実証した。
- TRACE-seqはまた、相同組換えを介した血液系および免疫系の遺伝性疾患治療法の臨床応用の可能性を広げた。
- crisp_bio 2018-10-05 HBB遺伝子変異を編集しモデルマウスに移植したヒト造血幹細胞と分化赤血球の遺伝型とHBB発現を追跡
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