[出典] "Genome-wide CRISPR screens reveal a specific ligand for the glycan-binding immune checkpoint receptor Siglec-7" Wisnovsky S [..] Bertozzi CR. PNAS. 2021-01-25. https://doi.org/10.1073/pnas.2015024118

 癌細胞はその表面を糖鎖で覆い、その糖鎖が免疫を抑制する機能を帯びた免疫チェックポイント受容体に結合することで、抗腫瘍性免疫を抑制する機能を備えている。したがって、免疫チェックポイント受容体とそのリガンドとなる糖鎖の相互作用は、癌療法の格好の標的になり得える。しかし、そうした糖鎖を帯びた糖タンパク質の構造が複雑であることなどから、リガンドの同定と解析は長年にわたる課題であった。

 Stanford Universityを主とする研究グループは今回、ゲノムワイドCRISPRiスクリーンによって、糖鎖をリガンドとする免疫チェックポイント受容体Siglec-7とSIglec-9に結合するリガンド糖鎖を白血病細胞表面に提示する遺伝子群の同定を試みた。
  • CRISPRiスクリーンから、Siglec-7と選択的に相互作用するムチン型糖タンパク質CD43を同定した。
  • さらに、CD43のN末端の糖ペプチド領域が脱シアル化されたO-結合型四糖のクラスターが Siglec-7に特異的な結合モチーフを形成していることを同定した。
 本研究は、白血病細胞のCD43をノックアウトまたは阻害することで、Siglec-7を介した免疫チェックポイントの解除が可能になることを示し、また、CRISPRiスクリーンが、生細胞内での糖鎖と免疫チェックポイント受容体との相互作用同定を可能にすることを示した。