2021-10-21 eLife 刊行論文の書誌情報と参考図を追記
2021-02-03 初稿
[出典] "Enhanced Cas12a multi-gene regulation using a CRISPR array separator" Magnusson JP, Rios AR, Wu L, Qi LS. (bioRxiv. 2021-01-27) eLife 2021-09-09. https://doi.org/10.7554/eLife.66406

 Stanford Universityの研究チームの報告:

 タイプV-A Cas12aのそれ自身でCRISPRアレイからcrRNAを生成するという特徴を生かして、設計・合成したCRISPRアレイを介した多重遺伝子の編集と多重遺伝子の発現調節が試みられている。しかし、CRISPRアレイが設計通りの性能を発揮しない場合がある。多重なcrRNAsが互いに干渉するためである。
  • 研究チームは今回、CRISPRアレイ内でGC含量が高いcrRNAが下流のcrRNAの活性を抑制することを見出した。
  • 研究チームは、天然のCRISPRアレイの分析から、スペーサを格納する反復配列 (スペーサを区切る反復配列)が常にAT-リッチな断片を含んでいることを見出し、この断片をCRISPR separatorと命名した。2021-10-21 10.47.32
  • 研究チームはこの知見に基づいて、短いAT-リッチな合成separators (synSeparators)を設計・利用することで、crRNAs間の干渉作用を防止することに成功した [Figure 4引用右図参照]。
  • HEK293T細胞において、synSeparatorを利用することで、内在遺伝子7種類の同時活性化を実現した。