[出典] "CRISPR-dcas9 Optogenetic Nanosystem for the Blue Light-Mediated Treatment of Neovascular Lesions" Li Y [..] Wang H. ACS Appl Bio Mater 2021-02-15. https://doi.org/10.1021/acsabm.0c01465
 天津大学の研究グループの成果。
  • 新生血管病に関与する重要な調節因子が血管内皮増殖因子 (VEGF)であることから、抗VEGF剤の注射が網膜の新生血管化の緩和と治療に選択されている。しかし、現行の抗VEGF療法は、治療効果を制御する有効な手段が無いという問題を抱えている。
  • 研究グループは、病原性新生血管形成を精密に制御することを目的として、光で制御可能な調節因子と転写を阻害する因子から構成されるCRISPR-dCas9光遺伝学的ナノシステム (opto-CRISPR nanosystem)を設計・開発し、個別化医療の道を開いた。
  • レーザー誘発脈絡膜新生血管と酸素誘発網膜症のモデルマウスにおいて、opto-CRISPR nanosystemによって光照射マウスでは暗条件下のマウスに比べて新生血管が形成された領域が41.54%縮減することを確認した。
  • opto-CRISPR nanosystemによって重度の眼疾患の治療法の可能性が生まれ、また、gRNAを設計し直すだけで、任意の遺伝子の転写を光で抑制することが可能になった。
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