[出典] "Construction of adenovirus vectors simultaneously expressing four multiplex, double-nicking guide RNAs of CRISPR/Cas9 and in vivo genome editing" Nakanishi T [..] Saito I. Sci Rep 2021-02-17. https://doi.org/10.1038/s41598-021-83259-02021-02-24 17.49.48
 微生物化学研究所の研究グループの成果 [微生物化学研究所からご提供いただいた右図参照]。
  • 多重なgRNAsの同時発現は、多重遺伝子のノックアウトと、多重変異の誘導を介した単一遺伝子の効果的破壊に有用であり、また、オフターゲット編集を抑制するがgRNAsペアを必要とするダブルニッキング法にも貢献する。2021-02-24 13.12.26
  • 研究グループは今回、ラムダ・インビトロ・パッケージングを利用して、4種類または8種類のgRNA発現ユニットを帯びたコスミドを一段階で構築可能とするTetraplex-guide Tandem法を開発した [Figure 1 (a)と(e)引用右図参照]。
  • 研究グループは今回、4種類のgRNAユニットを帯びたアデノウイルスベクターAdVsを作出し、これが意外にも、極めて安定でありマウス in vivo実験に必要十分なスケールまでgRNAユニットを一つも欠損することなく増幅可能なことを示した。
  • H2-Aa 遺伝子*を標的とするgRNAsを帯びたこのAdVと、Cas9ニッカーゼを発現するAdVをマウス胚線維芽細胞に導入し、ダブルニッキングを介して標的遺伝子の80%以上を破壊することに成功した [*主要組織適合性複合体の一つをコードしながら発現はしないことから、細胞死などの影響を排除した編集効率測定が可能になることから標的として選択]。さらに、静脈内注射を介してマウス新生仔の肝臓細胞の標的遺伝子の20%の2ヶ所にidelsが誘導された。
  • 興味深いことに、ダブルニッキングにより中間領域が削除されるとともに、ほとんどの場合2ヶ所のダブルニッキングサイト自身も破壊されていたことから、4 gRNAsとダブルニッキングのシステムで同一細胞内の2遺伝子を同時に破壊できる可能性が示された。
 4種類のgRNAsを発現する単一のAdVsは、4種類の遺伝子の同時ノックアウトを実現し、またはオフターゲット編集を抑制しつつ2種類の遺伝子にダブルニッキングを加えることが可能である。

[ダブルニッキング関連論文]