[出典] "Use of CRISPR/Cas9-mediated disruption of CNS cell type genes to profile transduction of AAV by neonatal intracerebroventricular delivery in mice" Torregrosa T, Lehman S [..] Lo S-C. Gene Ther 2021-02-22. https://doi.org/10.1038/s41434-021-00223-3
[注] CNS : Central Nervous System/中枢神経系
 Biogenの研究グループの成果。
  • AAVの形質導入効率や向性はこれまでレポータ遺伝子の高発現でアッセイされてきたが、その間に、レポータ遺伝子発現が非検出の細胞においてAAVの形質導入を過小評価することを示唆するデータが蓄積されてきた。
  • 研究グループは今回、レポーター遺伝子発現に替えて、マウスの中枢神経系 (CNS)のニューロン, アストロサイト, またはオリゴデンドロサイトにてそれぞれ特異的に発現する遺伝子NeuN, GFAP, またはMOG を標的とするCRISPR/gRNAによる切断が及ぼす影響を、生化学的に測定することで、脳室内注射した3種類のAAVベクター (AAV9, AAV-PHP.B, およびAAV-PHP.eB)の形質導入プロファイルを同定した。
  • 脳室内注射 (ICV)を採用することで血液脳関門を透過する能力に依存しないデータが得られた。
  • NueN 遺伝子を標的とするCas9-gRNAのAAV-PHP.BとAAV-PHP.eBによるデリバリーがいずれもNeuN 遺伝子を顕著にノックアウトし、また、脳のいくつかの領域と脊髄において、AAV9によるデリバリーよりも有意に高いノックアウト効率を示した。
  • GFAP 遺伝子とMOG 遺伝子のCas9ノックアウトは、3種類のAAVいずれによるデリバリーでも、わずかであった。
  • この手法は、マウス中枢神経系の細胞型に特異的なAAVの向性プロファイリングにも利用可能である。