[出典] "Engineered Prime Editors with PAM flexibility" Kweon J [..] Kim Y. Mol Ther 2021-02-23. https://doi.org/10.1016/j.ymthe.2021.02.022
 University of Ulsan College of Medicineを主とする研究グループの成果。
  • PE [*]は、塩基の置換, 挿入, および欠失をDSBやドナーDNAを介さずに実現する強力なゲノム編集技術であるが、SpCas9をベースとするPEには、標的可能なゲノム領域がSpCas9が認識する標準的なPAM配列 (5'-NGG)の近位に限定されてしまうという課題があった。
  • 研究グループは今回、SpCas9をベースとするPE2 [*]に対して、NGG以外のPAM配列を認識するCas9変異体をベースとするPE2改変版を作出評価した。
  • テストしたPE2改変版とそのPAM配列: SpCas9(VQR)とSpCas9(VRQR) [NGA]; SpCas9(VRER)[NGCG]; SpCas9-N [NG], SpG [NGN]; SpRY [PAM-less/NNN]
  • HEK293T細胞において、50種類以上の変異を誘導し、また、PEの活性を最大51.7%まで向上させることに成功した。
  • SpRYをベースとするPE2-SpRYによって、SpCas9をベースとするPE2では不可能であったBRAF V600Eの誘導を効率 > 10%で実現した。
  • PE2バージョンに対して, PE2の標的サイトとは異なるサイトでDNA鎖にニックを入れることで塩基置換の効率向上を狙ったPE3[*]とPE3b[*]が、オフターゲット編集を伴わずPE2改変体に対しても塩基置換の効率向上をもたらした。
  • PE2-SpRYによって、ClinVar登録病因変異の94.4%を標的可能であり、また、PE3bで標的可能なサイトを病因変異あたり28.8サイトにまで増加可能と算定した。
[*] PE関連crisp_bio記事