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科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

[出典] "Nanobody-based chimeric antigen receptor T cells designed by CRISPR/Cas9 technology for solid tumor immunotherapy" Mo F [..] Hammock BD, Lu X. Sig Transduct Target Ther 2021-02-25. https://doi.org/10.1038/s41392-021-00462-1
 広西医科大学とUC Davisを主とする研究グループの成果。
  • 血液癌に著効を示すCAR-T細胞療法を固形癌へ展開するには、安全性, 抗原結合親和性, 有効性, および免疫原性などの課題を解決する必要がある。
  • CAR-T細胞の抗原認識領域は通常、重鎖可変領域の断片と軽鎖可変領域の断片をフレキシブルなリンカーで結合したscFvであるが、scFvは必ずしも効率的に、フォールド・アッセンブルせず凝集する傾向を帯びている。研究グループは今回、より小型で高圧や高酸性といった極限環境でも抗原結合親和性を安定して発揮するnanobodies (Nbs: ナノボディー https://numon.pdbj.org/mom/136?lang=ja)をベースとするCAR-T細胞を作出した。
  • Nbsの標的として、新生血管内皮細胞と癌細胞において発現が亢進し、抗血管新生療法や腫瘍予後マーカとして研究されているCD105 (エンドクリン)を選択し、ラクダ由来のナノボディーからCD105を標的とするNb (以下, CD105 Nb)を精製した。2021-03-04 11.59.06
  • CD105 Nbに、CD8αシグナルドメイン, CD8αヒンジドメイン, CD8α膜貫通ドメイン, 4-1BB, CD3ζ シグナルドメイン, IRES (internal ribosome entry site)およびGFPを連結したCD105 CARのコンストラクトの左右に相同アームを融合し、エレクトロポレーションを介して、CRISPR/Cas9が誘導するHDRを経て、T細胞のセーフハーバー遺伝子座であるAAVS1にノックインした [Fig. 2引用右図参照]。
  • CD105陽性の標的細胞と共培養し、CD105 CAR-T細胞が、in vitroで細胞障害性と増殖性を示し, 炎症性サイトカインを産生し, CD105陽性標的細胞を特異的に殺傷することを確認した。
  • また、ヒト肝癌細胞Bel7404を移植したNOD/SCIDマウスin vivoにて、CD105 CAR-T細胞が腫瘍増殖を有意に抑制し, 腫瘍量を減じ、この固形癌モデルマウスの生存期間を延長することを確認した。
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