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論文・記事紹介:CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム工学, エピゲノム工学, 代謝工学/遺伝子治療, 分子診断/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野); タンパク質工学;情報資源・生物資源;新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症;研究公正

[出典] "Co-encapsulation of Cas9 mRNA and guide RNA in polyplex micelles enables genome editing in mouse brain" Abbasi S [..] Kataoka K. J Control Release 2021-02-26. https://doi.org/10.1016/j.jconrel.2021.02.026
 Innovation Center of NanoMedicine (iCONM/川崎市産業振興財団)の研究成果。
  • Cas9 mRNA (4.5 kb)とsgRNA (0.1 kb) のようにサイズが大きく異なる2種類のRNA分子の共デリバリー (co-delivery)は、特にインビボでは、課題である。研究グループは、PEG化高分子ミセル (PEGylated polyplex micelle, PM)のコアにRNAを凝集することでこの課題を解決した。
  • PMにsgRNAとCas9 mRNAをそれぞれ単独で凝集させた場合、sgRNAはバッファ液内最小希釈で放出されたが、Cas9 mRNAは高希釈でもPM内に安定に保持された。
  • 一方で、sgRNAとCas9 mRNAを共にPMに内包させると (以下, 共-PM)は、sgRNAの放出が抑制され、sgRNAが酵素分解から保護される結果となった。
  • 共-PMをマウス脳実質内に注入したところ、ニューロン, アストロサイト, ミクログリアなどの脳実質細胞内にて、PM-sgRNAとPM-Cas9 mRNAそれぞれを注入する場合よりも、効率の良いゲノム編集が実現した。また、PEG化していない高分子ミセルによるデリバリーよりも、PMによるデリバリーの方が、脳組織内での拡散が亢進されていることも見出した。
 [片岡グループからの先行関連論文]
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