[出典] "Programmable C:G to G:C genome editing with CRISPR-Cas9-directed base excision repair proteins" Chen L [..] Chew WL. Nat Commun 2021-03-02. https://doi.org/10.1038/s41467-021-21559-9スクリーンショット 2021-03-05 17.02.00
 Genome Institute of Singapore (A*STAR)の研究グループが今回、Cas9ニッカーゼ(nCas9)にシチジンデアミナーゼと塩基除去修復タンパク質を融合することで、ヒト細胞において塩基のトランスバージョン"C:G-to -G:C"を実現した [Fig. 1引用右図参照]
  • 研究グループは、C:G-to-T:A変換を実現したCBEからウラシルグリコシラーゼ阻害剤 (UGI)を除去し塩基除去修復 (base excision repair, BER)の開始を促すウラシルDNAグルコシラーゼ (UNG)を融合することでC:G-to-G:C変換を実現した先行研究 [1, 2]に倣って、UGIを細胞内在BERタンパク質に置き換えることを発想した。
  • 30種類を超えるC:G-to-G:C Base Editor (CGBE)候補を評価した結果、rAPOBEC-nCas9-rXRCC1の構成が最も効率的であり、編集後の選別を経ずに、最大 37%, 平均 15.4%の効率を達成した。
  • CGBEは、標的プロトスペーサ内で正確に3-nt幅のWCW, ACCまたはGCTの並びの中のシチジンを標的可能である。
  • CGBEを利用して脂質異常症, 肥大型心筋症, 難聴の病因SNVを修復し、ヒト遺伝疾患の診断と治療への応用の可能性を示した。
[参考crisp_bio記事]
  1. 2020-07-22 天津グループ、C-to-AとC-to-Gのトランスバージョン変換を実現. https://crisp-bio.blog.jp/archives/23679377.html
  2. 2020-07-22 Joungグループ, BE4max (C-to-T)をCGBE1(C-to-G)へと変身させた. https://crisp-bio.blog.jp/archives/23678774.html
  3. [20200508更新] David R. Liuグループからプライムなゲノム編集法 - BEsに続くPEs. https://crisp-bio.blog.jp/archives/20458334.html