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[出典] "CRISPRi screens reveal a DNA methylation-mediated 3D genome dependent causal mechanism in prostate cancer" Ahmed M, Soares F, Xia JH [..] Ren S, Wei G-H, He HH. Nat Commun 2021-03-19. https://doi.org/10.1038/s41467-021-21867-0
 前立腺癌 (prostate cancer: PCa)のGWASから、数千のPCasリスクSNPsが分布しているPCaリスク遺伝子座が160種類以上同定され、また、PCaリスクSNPsの~98%がタンパク質コーディング領域外に位置することも同定されている。PCaリスクSNPsが中でもシスエレメントに集中していることまで報告されてきたが (以下、rCREs/risk cis-regulatory elemens)、その作用ひいては臨床的影響は未だ捉えられていない。
 Princess Margaret Cancer Center/University Health Network, University of Oulu, Changhai Hospital, UCLAなどのカナダ, 中国, 米国の共同研究グループは今回、PCa細胞株において、260種類のrCREsを対象とするCRISPRi機能喪失スクリーンを行い、PCa高リスクのSNPsを帯びたrCREsがPCa細胞増殖に必須であり、H3K27acの占有率が必須性の指標となることを示した。
  • PCa細胞の必須rCREsが8q24.21に集中していた。遺伝子砂漠領域 (gene desert region)である8q24.21は初めて機能解析が実現した領域の一つであり、家族性PCaリスクの25%を説明可能なPCaリスクSNPsを多く帯びていることで知られている。
  • 8q24.21にはPCaのリスクSNPsおよびrCREsが多数位置している。その中で、8q24.21においてMYC 癌遺伝子が高発現し高頻度で増幅していることから、MYC が遺伝性PCaリスク因子の第一候補とされていた。また、rCREsとMYCプロモータとの間の物理的相互作用を示唆する報告も出ているが、MYC の発現とrCREsとの間の明確な相関を同定するには至っていな買った。
  • 今回のスクリーンによって、PCa細胞必須性が最も高いrCREの一つが、MYC を制御し、かつ、PCaリスクの高オッズ比 (OR)が同定されているリスクSNP, rs11986220, を帯びていることを発見した。さらに、このrCREとMYC プロモーターの間の相互作用が、MYC 転写開始点 (TSS)の上流約10 Kbに結合するCTCFによって阻害されること、このCTCFの結合が DNAメチル化に依存すること、を見出した。
  • CTCFはゲノムの三次元構造を制御する主要因子であり、様々な癌型において、CTCFを介した三次元クロマチンの相互作用が破綻すると、隣接する遺伝子の発現制御が異常になることが報告されている。今回、PCaのリスクSNPsについて、CREの機能阻害に加えて、CTCFの結合がrs11986220の作用を減弱することが示唆された。
 これらの結果は、PCaリスクSNPによるCREの機能喪失に加えて、DNAメチル化を介した3次元構造の改変との相乗作用によるPCa発生機構の存在を意味し、遺伝的素因のリスク評価に遺伝学とエピゲノミクスを統合が必要なことを示唆した。
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