[出典] "Genomic diversity and CRISPR‐Cas systems in the cyanobacterium Nostoc in the High Arctic" Jungblut AD, Raymond F et al. https://doi.org/10.1111/1462-2920.15481
 英国自然史博物館とUniversité Lavalの研究グループは,極地を中心に世界中に分布しているNostocについて,高緯度北極圏から最近採取されたサンプル,1875-76年の英国北極遠征の際に採取された標本,および,極地以外に由来するサンプル26種類を対象とする初めてのゲノム解析を行った.
  • Nostocの株や種の間には顕著な遺伝的変異が見られ,北極圏由来の2つの株では、アノテーションされていない非リボソームペプチド合成酵素の生合成遺伝子群が著しく多く、二次代謝産物の多様性が高いことが示唆された。
  • 北極圏と温帯の2種のNostocのCRISPR-Casシステムを分析した結果,双方のゲノムに多数の特異的なリピート/スペーサーのアレイが存在し,ウイルスによる多様な攻撃が繰り返されてきたことが示唆された.
  • また,全ての株にタイプI-D CRISPRシステムが存在したが,極地標本には,シアノバクテリアではこれまで報告されてこなかったタイプI-D CRISPRシステムのエビデンスも見られた.