[出典] "A CRISPR/Cas12a-assisted platform for identification and quantification of single CpG methylation sites" van Dongen JE,  Berendsen JTW,  Eijkel JCT, Segerink LI. bioRxiv. 2021-04-06 [プレプリント].  https://doi.org/10.1101/2021.04.06.438612
 CRISPR-Cas12aがcrRNAの標的dsDNA認識によって発揮するssDNAトランス切断活性 (コラテラル活性)を利用した超高感度核酸検出システム (Cas12aバイオセンサー)の開発が広がってきたが,DNA配列自体は変わらないメチル化などの状態の検出には利用できない.
 Cas12aバイオセンサーの一つであるHOLMESを開発した上海生命科学研究院のShi-Yuan Liらが,Cas12aをCas12bに替えたHOLMESv2にバイサルファイト処理を加えることで,標的DNAのメチル化レベルの定量を実現した.
 Max Planck Institute for Complex Fluid Dynamics/University of Twentの研究チームは今回,Cas12aバイオセンサーの前処理として,メチル化によってDNA切断が不可能になるメチル化感受性制限酵素 (Methylation Specific Restriction Enzyme; MSRE)処理を加えることで,バイサルファイト処理を回避し,Cas12aバイオセンサーによるエピゲノム解析への効率と可用性を高めた.
 MSREはメチル化されていないDNA鎖を選択的に分解し,ひいてはメチル化されていない標的鎖の断片化を介して標的鎖とcrRNAのR-loop形成を阻害し,Cas12aのコラテラル活性に影響する.
 
 [HOLMES関連参考資料]