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2022-01-31 Nucleic Acids Research 誌から査読論文として刊行された:"Comprehensive analysis of prime editing outcomes in human embryonic stem cells" Habib O, Habib G, Hwang G-H, Bae S. Nucleic Acids Res. 2022-01-15. https://doi.org/10.1093/nar/gkab1295

2021-04-20 記事タイトルを「
ヒトES細胞におけるプライム・エディティング (PE)の包括的評価」を「プライム・エディティングは, ヒトES細胞の塩基編集にてBEを相補する」へと改訂. 
2021-04-19 初稿
[出典] "Comprehensive analysis of prime editing outcomes in human embryonic stem cells
Habib O, Habib G, Hwang G-H, Bae S. bioRxiv. 2021-04-13 [プレプリント]. https://doi.org/10.1101/2021.04.12.439533

 漢陽大学校の研究グループのbioRxiv投稿:
  • Prime EditingヒトES細胞 (H9細胞)のAAVS1にTALENを介してプライムエディング [右図参照]の中のPEG2をノックインすることで,ドキシサイクリンで誘導可能なPE2を発現するヒトES細胞株'H9-iPE2'を樹立した.
  • PE2に対して,pegRNAの標的ではないもう一方のDNA鎖にニッキングを入れることで編集効率を高めるPE3を実験では使用した.すなわち,'H9-iPE2'にpegRNA [右図参照]に加えてそのためのsgRNA [右図には含まれていない]もエレクトロポレーションした.
  • 2種類の遺伝子座 (HEK3とRNF2)を標的とする66種類のpegRNAsについて,PBS配列の長さや標的配列のGC含量などの影響を評価するとともに,他の細胞株と同様に,トランスバージョンとトランジッション全ての塩基置換導入を実現可能なこと,また,標的部位における小規模な (1~3 bp)indels発生,および80bpsまでの削除と42 bpsまでの挿入を,実証した.
  • 標的部位での望ましくないindels誘発は,PE3におけるpegRNAとsgRNAを介したダブルニッキングが主因ではなく,逆転転写酵素とpegRNAによって誘導されることを同定した.
  • PE3とCBEおよびABEの塩基変換結果を,2種類の遺伝子座 (HEK3とFANCF)について比較した.CBE/ABEについては,H9細胞へのエレクトロポレーションによって実験した.編集効率はBEsがPE3を上回ったが,BEsにみられたバイスタンダー塩基変換はPE3には見られなかった (したがって,ウインドウ内に標的以外のバイスタンダー塩基が存在しない場合はBEsがお薦めとなる).
  • α1-アンチトリプシン欠乏症 (A1AT)の患者由来のiPS細胞において,病因変異 (PiZZ 1024 G>A)の修復をABEmaxとPE3で試みたところ,塩基変換効率はそれぞれ0.85%と0,83%と,ほぼ同等になった.
  • WGS解析を介して,ドキシサイクリン誘導PE2を3週間発現させても,オフターゲット変異は発生しなかった.
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