[出典] "Genome-wide specificity of prime editors in plants" Jin S, Lin Q, Luo Y, Zhu Z [..] Gao G. Nat Biotechnol. 2021-04-15. https://doi.org/10.1038/s41587-021-00891-xPrime Editing
 中国科学院の遺伝学・発生学研究所に微生物研究所が加わったグループが,植物を対象とするプライム・エディティング (PE: 右図参照)を評価した:

gRNAに依存するオフターゲット編集 
  • スペーサー内のシード配列 (PAM近位)内でのミスマッチおよびnCas9 (H840A)のニッキング・サイト近位でのミスマッチによってPEの頻度が顕著に低下し,PEの標的選択性が高いことを示した.
  • ミスマッチを帯びたゲノム上のオフターゲットサイト179ヶ所を標的とする12種類のpegRNAsの編集頻度も0.00% ~ 0.23%と極めて低かった.
gRNAに依存しないオフターゲット編集の評価
  • gRNAに依存しない望ましくない変異については,PEの編集活性を,pegRNA発現カセットを添えた場合と添えなかった場合の双方について,アグリバクテリウム法でイネのカルスへ導入しT0世代における全ゲノム解析で判定した.その結果,SNVおよび小規模なindelsの頻度,および,その他の変異のタイプと分布もnCas9と同程度であり,PEのgRNA以外の部品によるオフターゲット編集は発生しないと判定した.
  • PEシステムのコアの部品であるモロニーマウス白血病ウイルス逆転写酵素 (M-MLV RT)が,内因性のOsTos17 レトロトランスポゾンの数やテロメア構造に影響を与えず内因性逆転写機構に影響をしないこと,また,M-MLV RTを過剰発現させてもpegRNAとmRNAの異所的挿入が誘導されないことも確認した.
プライム・エディターは,植物では極めて忠実なゲノム編集を実現する,