[出典] "CRISPR screens identify a novel combination treatment targeting BCL-XL and WNT signaling for KRAS/BRAF-mutated colorectal cancers" Jung HR, Oh Y [..] Cho S-Y. Oncogene. 2021-04-12. https://doi.org/10.1038/s41388-021-01777-7
 Seoul National UniversityとEwha Womans Universityなど韓国の研究グループの報告
  • これまでの研究により,KRAS/BRAFに変異が怒っている大腸癌 (CRC)患者で抗アポトーシスタンパク質BCL-XLの発現が上昇し,そのサブグループの治療標的としてBCL-XLが示唆されている.
  • KRAS遺伝子変異を帯びている細胞株を対象として,ゲノムワイドCRISPR-Cas9機能喪失スクリーンを介して,BCL-XL阻害剤ABT-263に対する感受性因子を同定した.
  • ABT-263に耐性を示した細胞にはWNTシグナル伝達の負に制御する因子を標的とするsgRNAsがエンリッチされ,正に制御する因子を標的とするsgRNAsは見られなかった.すなわち,WNT活性化がABT-263に対する耐性をもたらすことが示された.
  • CRCサンプルにおいて,WNTシグナルの活性化が、抗アポトーシスとプロアポトーシスのBCL-2ファミリー遺伝子の発現比率の増加と強く関連していた.
  • β-カテニンを標的とするshRNAまたはTNIK阻害剤NCB-0846によってWNTシグナル伝達を遺伝的または薬理学的に阻害すると,KRAS/BRAF変異CRC細胞のABT-263に誘発される細胞死が増加した.
  • WNTシグナルを阻害すると、抗アポトーシスタンパク質BCL-XLファミリーメンバーのMCL1の転写が,MCL1プロモーターにおけるβ-カテニン含有複合体の機能阻害を介して,抑制された.
  • さらに,KRAS遺伝子変異を帯びた患者の腫瘍組織異種移植 (PDX)モデルにおいて,ABT-263とNCB-0846の併用が効果を示した.