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論文・記事紹介:CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム工学, エピゲノム工学, 代謝工学/遺伝子治療, 分子診断/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野); タンパク質工学;情報資源・生物資源;新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症;研究公正

(創薬等PF・構造生命科学ニュースウオッチ 2016/01/15

  • Corresponding author:  植田弘師(長崎大学)
  • [背景] プロサイモシンα(ProTα)は、脳と網膜の虚血ストレスまたは血清飢餓ストレスに対する神経保護機能を有する.この機能の活性コアがProTα配列の30アミノ酸ペプチド/P30(a.a.49-78)であることが明らかになっている.また、P30の一部 P9(a.a.52–60)も、P30よりも低いが神経保護活性を示し、P9よりさらに短いペプチドも神経保護活性を有する可能性がある.
  • 今回、6アミノ酸のペプチド/P6(NEVDEE, a.a.51–56)が虚血誘発性の網膜の機能障害に対して、P30と同等の保護活性を有することをマウスモデルにおいて見出した(網膜電図検査 (ERG)とヘマトキシリン・エオジン染色(HE染色)による評価).
  • さらに、改変した6アミノ酸ペプチド/P6Q(NEVDQE)の硝子体内注射または静脈注射が、虚血誘発性の網膜の機能障害と組織障害を防止することを、ERFとHEに依って見出した.
  • 虚血ストレスを与えてから24時間後にP6Qを注射することで、網膜の神経節細胞、双極細胞、アマクリン細胞および視細胞の虚血誘発性損失が防止されることを、免疫組織化学的解析によって見出した.
  • 加えて、P6Qが、イオン化カルシウム結合アダプター分子1(ionized calcium binding adaptor molecule 1: Iba-1)とグリア線維酸性タンパク質(glial fibrillary acidic protein: GFAP)の増加をそれぞれ指標とする網膜虚血誘発性のミクログリアとアストロサイトの活性化が強く抑制され、また、ミクログリアとアストロサイトの形態変化、細胞増殖ならびに細胞遊走も抑制されることを見出した.
  • P6Qは虚血性損傷に対して治療効果を有する.
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