[出典] "A systematic CRISPR screen defines mutational mechanisms underpinning signatures caused by replication errors and endogenous DNA damage" Zou X, Koh GCC, Nanda AS [..] Nik-Zainal S. Nat Cancer. 2021-04-26. https://doi.org/10.1038/s43018-021-00200-0
 各種の癌に特徴的な変異パターン (変異シグネチャー)は,癌の発生と進行の過程を反映している.University of Cambridge, Wellcome Sanger Institute, Jackson Laboratory for Genomic Medicineなどの研究グループは今回,CRISPR-Cas9により43種類の遺伝子をノックアウトしたヒトiPS細胞を,ノックアウト以外に由来するDNA損傷が加わらないように培養し,173のサブクローンの全ゲノム配列を決定・解析した.
  • その結果,∆OGG1, ∆UNG, ∆EXO1, ∆RNF168, ∆MLH1, ∆MSH2, ∆MSH6, ∆PMS1および∆PMS2 が,それらが内因性DNA損傷を軽減する重要な因子であることを示す変異シグネチャーをもたらすことを同定した.
  • 詳細な解析の結果,8-ヒドロキシ-2′-デオキシグアノシンの除去が配列のコンテクストに依存しない一方でウラシルの除去が配列のコンテクストに依存しないことなど,変異のメカニズムに関する知見を得た.
  • また,ミスマッチ修復 (MMR)欠損のシグネチャーが,酸化的損傷 (C > Aトランジッション)と,複製ポリメラーゼを関与する取り込みエラー (T > C, C > T)によって引き起こされることなどを,同定した.
  • その上で,分類法MMRDetectを開発し,7,695種類の癌全ゲノム配列に適用し,MMR欠損癌の検出率向上を実現した.