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論文・記事紹介:CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム工学, エピゲノム工学, 代謝工学/遺伝子治療, 分子診断/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野); タンパク質工学;情報資源・生物資源;新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症;研究公正

(創薬等PF・構造生命科学ニュースウオッチ 2016/01/16

  • Johan MalmströmらLund UniversityとUniversity of Zurichの研究チームは今回、マウスの血漿プロテオームを構成するタンパク質の由来組織を推定可能とする質量分析法を開発し、敗血症の診断に利用可能なことを示した.
  • はじめに、LS-MS/MSショットガン法を利用して、健康なマウス血漿のプロテオームを解析し、肝臓、腎臓、脾臓、肺、心臓および大動脈の器官、ならびに、血小板、血漿白血球および赤血球を対象として、タンパク質分布のアトラスを作成した.UniProtとPANTHERに依って同定したタンパク質はそれぞれ8,240種類と6,652種類であり、95%が共通であった.ユニークなペプチド数と対応するスペトル数はそれぞれ66,857件と258,027件になった.
  • アトラスのスペクトル・ライブラリーを参照して、SWATH (sequential window acquisition of all theoretical spectra) 法に類似のデータ非依存解析(data-independent analysis)-MS(DIA-MS)法で得たデータから、敗血症モデルマウスの血漿中のタンパク質786種類を同定・定量した.モデルマウスは、化膿性連鎖球菌(Streptococcus pyogenes )を4種類の濃度でそれぞれ皮下注射・感染させて作出した.
  • その結果、敗血症に依存して、血漿プロテオーム中の器官特異的タンパク質プロファイルに、明確な変動が起こることを見出した.
  • また、従来のヒトの敗血症バイオマーカーをマウスのオーソログとアトラスにマッピングし、各バイオマーカーの症状の悪化への応答が一様でないことを見出した:急性期タンパク質、凝固タンパク質およびサイトカイン/ケモカイン由来のバイオマーカー増加;血管内皮損傷に関するバイオマーカーもやや増加;臓器不全に関するバイオマーカーは、最も高濃度感染させたモデルマウスにおいて僅かに増加;その他.

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