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論文・記事紹介:CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム工学, エピゲノム工学, 代謝工学/遺伝子治療, 分子診断/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野); タンパク質工学;情報資源・生物資源;新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症;研究公正

2021-09-07 コンパクトなCas12f1を活用した論文が相次いだことから,Cas12f1の由来をわかりやすくするため,Vilnius UniversityとCorteva Agriscience™の論文の書誌情報に図と要旨を加えた.
2021-05-27 初稿 : 大阪大学からの論文の書誌情報と,それに関連するVirginijus Siksnysが率いるVilnius UniversityとCorteva Agriscience™からの論文の書誌情報
[リンクのみ] "Genome editing by miniature CRISPR/Cas12f1 enzyme in Escherichia coli
Okano K, Sato Y, Hizume T, Honda K [大阪大学]. J Biosci Bioeng. 2021-05-19. https://doi.org/10.1016/j.jbiosc.2021.04.009

[Un1Cas12f1 (Cas14a1)参考文献]
"PAM recognition by miniature CRISPR–Cas12f nucleases triggers programmable double-stranded DNA target cleavage" Karvelis T, Bigelyte G, Young JK [..] Siksnys V (Vilnius University). Nucleic Acids Res 2020-04-04. https://dx.doi.org/10.1093/nar/gkaa208
スクリーンショット 2021-09-07 8.30.32 近年,配列データベースのマイニングにより,V-F型サブタイプに属する小型のCRISPR関連エフェクタータンパク質 (Cas12f)が同定された.これらのシステムのいくつかのCRISPR遺伝子座には,CRISPRシステムにおけるスペーサー獲得 (adaptaion)モジュールをコードする遺伝子 (cas1, cas2, cas4)が含まれている [Figure 1引用右図参照].当初はこれらの遺伝子と単一のヌクレアーゼのセットはCas14と呼ばれていた [*1].その後,このファミリーをCas12f1 (Cas14aとタイプV-U3),Cas12f2 (Cas14b), Cas12f3 (Cas14c, タイプV-U2とU4)に分類された [*2]
本論文では,更新された命名法を用いるとともに,異なる命名規則の橋渡しをするために,Cas14の呼称も残した.
 生化学的解析から,5′T-またはC-リッチなPAM配列がdsDNA標的の切断を誘発することを明らかにし,また,大腸菌での実験にて,Cas12fが大型のクラス2のCRISPRエフェクターと同様に,侵入dsDNAを分解し大腸菌ゲノムを保護したことから,Cas12fはプログラム可能なヌクレアーゼとしてゲノム編集に利用できる可能性があることを示した.
[*1] 2018-10-19 メタゲノムからssDNAをトランス切断するCas14ファミリーを発見しDETECTRへ展開.https://crisp-bio.blog.jp/archives/12977892.html
[*2] 2019-12-22 [レビュー] MakarovaとKooninら、CRISPR-Casシステムの分類体系を更新.https://crisp-bio.blog.jp/archives/21284029.html
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