(創薬等PF・構造生命科学ニュースウオッチ 2016/01/17

  • Corresponding author: 野崎智義 (筑波大/国立感染研) 
  • 真核生物においてミトコンドリア関連オルガネラ(mitochondrion-related organelle:MRO)は系統特異的に進化し、収束進化による共通性の他にそれぞれに特有な多様性を示す.今回、バイオインフォマティクスと細胞生物学的/生化学的解析を組み合わせて、寄生性原虫に存在するMROの機能解析を試みた.具体的には、赤痢アメーバ(Entamoeba histolytica )のマイトソーム膜タンパク質を対象とした.
  • AmoebaDB release-4.2から出発し、高感度なホモログ検索法と新奇膜タンパク質予測法からなるデータ解析パイプラインを介してE. histolytica 特異的タンパク質7,959種類から、αヘリックス膜貫通ドメインを有するマイトソーム膜タンパク質候補25種類を抽出した.
  • 25種類の中で2種類、EHI_170120 ならびに EHI_099350、がマイトソームに局在していた.EHI_170120はマイトソーム膜に融合しており、EHI_099350はミトコンドリアのマーカであるCpn60(chaperonin60)を欠損しているとみられるマイトソーム基質に局在していた.
  • souyaku_icon_32[PDIS]研究実施者:今井賢一郎、深沢嘉紀、小田俊之(産総研富井研