[出典] "Traceable Nano‐Biohybrid Complexes by One‐Step Synthesis as CRISPR‐Chem Vectors for Neurodegenerative Diseases Synergistic Treatment" Shen J [..] Zhang X. Adv Mater. 2021-05-28. https://doi.org/10.1002/adma.202101993
 異常なタンパク質凝集が神経編成疾患の病理学的特徴であることから,この凝集体の再生を抑制しつつ除去する治療戦略が有効と考えられる.Institute of Process Engineering (北京)の研究グループは今回,CRISPR/Cas9遺伝子編集ツールによる疾患関連タンパク質の再生阻害と,低分子によるタンパク質凝集体の除去を組み合わせたCRISPR-chem薬剤 (drug)の可能性を示した.
  • CRISPR-chem薬剤を脳病変部に効率的に送達するために、追跡可能なナノバイオハイブリッド複合体(F-TBIO)をワンステップで合成し、CRISPR/Cas9プラスミドを制御可能な方法で搭載する。
  • CF-TBIOは、BACE1遺伝子をノックアウトし、アミロイドβの負担を軽減することで、大量のAβ1-42を蓄積する2xTg-ADマウスの認知能力を大幅に改善した.
  • 特に、投与間隔を長くすることで、2xTg-ADマウスの病理学的損傷や行動が大きく改善された。
  • 治療過程において、高い緩和率を持つCF-TBIOは、複雑な脳生理学的環境において正確なイメージング信号を提供した.
  • CF-TBIOが神経変性疾患治療のためのCRISPR-Chem薬剤送達プラットフォームとして有望である.