[出典] "A Campylobacter integrative and conjugative element with a CRISPR-Cas9 system targeting competing plasmids: a history of plasmid warfare?" van Vliet  AHM, Charity O, Reuter M. bioRxiv. 2021-06-01. [プレプリント] https://doi.org/10.1101/2021.06.01.446523
[注] ICE = integrative and conjugative element
 U SurreyとQuadram Institute Bioscienceの研究チームはC. jejuni C. coli は,pVir, pTet, およびPCC42プラスミドと,70-129 kbのICE (以下,CampyICE1)を帯びていることを見出した.
  • CampyICE1は,これまでC. jejuni C. col i由来で報告されていたCas9とは異なる単独のCas9タンパク質からなる縮退したタイプII-C CRISPRシステムを内包し [Fig. 2引用右図参照],C. jejuni ゲノムの134/5,829(2.3%)と、C. coli ゲノムの92/1,347(6.8%)に,見られ,また,この2種以外のカンピロバクターにも見られた.
  • CampyICE1が内包するCRISPRアレイに蓄積されていたスペーサーのうち70個が,前述のカンピロバクターの3種類のプラスミドを標的とし,9個が他のカンピロバクター・プラスミドを標的とすると,推定した.
  • CampyICE1 Cas9とプラスミドを標的とするスペーサからなるCRISPRシステムの存在と,標的プラスミドの非存在 (188/214ゲノム, 87.9%)との相関関係から,カンピロバクターにおけるプラスミド争奪戦があったことを示唆した.