[出典] "Genome-wide CRISPR screen identifies protein pathways modulating tau protein levels in neurons" Snchez CG [..] Elwood F. Commun Biol. 2021-06-14. https://doi.org/10.1038/s42003-021-02272-1
 リン酸化されたタウタンパク質の凝集体は、アルツハイマー病、進行性核上性麻痺、前頭側頭型認知症など、20以上の異なる神経変性疾患の病理学的特徴である。このタウ凝集の正確な機構は不明であるが,凝集体の蓄積が疾患の進行と相関することが知られている.
  • Novartis Institutes for BioMedical Researchの研究グループは今回,ヒト神経芽細胞腫SH-SY5Y細胞における一次スクリーニングによってタウ・タンパク質のレベルを正に制御する因子群と負に制御する因子群を同定した.
  • 次いで,Ngn2誘発ヒト皮質興奮性ニューロンにおいて,トップヒットであった43種類の候補遺伝子を検証した.
  • その結果,クロマチン修復酵素,ユビキチン様タンパク質NEDD8による翻訳後修飾NEDD化とユビキチン化のパスウエイ,およびmTORパスウエイの要素を含む内因性タウレベルの調節に関与する遺伝子と経路とを特定した.
  • さらに,mTORパスウエイの重要な構成要素であるTSC1についてはin vivoでの検証も行い、このスクリーニング戦略の妥当性を確認した.