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科学分野の比較的新しい論文と記事を記録しておくサイト: 主に、CRISPR生物学・技術開発・応用 (ゲノム編集, エピゲノム編集, 遺伝子治療, 分子診断/代謝工学, 合成生物学/進化, がん, 免疫, 老化, 育種 - 結果的に生物が関わる全分野) の観点から選択し、時折、タンパク質工学、情報資源・生物資源、新型コロナウイルスの起源・ワクチン・後遺症、機械学習・AIや研究公正からも選択

感染症流行対策イノベーション連合[*] (Coalition for Epidemic Preparedness Innovations, CEPI)のチームによる展望. [*] https://ja.wikipedia.org/wiki/感染症流行対策イノベーション連合
[展望] "Considerations for bioanalytical characterization and batch release of COVID-19 vaccines"Sanyal G, Särnefält A, Kumar A. npj Vaccines. 2021-04-13. https://doi.org/10.1038/s41541-021-00317-4

 アストラゼネカのワクチンについて,ワクチンの設計とは別に,製品の品質管理に問題があるとする報告がプレプリントサーバーのResearch Square から公開 [*1]されたが,今回,ワクチンの品質管理に関する一般的な考察がnpj Vaccines 誌から刊行された.
 [背景]
  • COVID-19パンデミックに対して,世界中でかってない切迫感をもってワクチン開発が進められていいる.2021-06-21 12.46.54このパンデミックを終息させるために,大小のバイオ医薬品開発企業と学術研究機関の開発者が立ち上がった.
  • 新旧を問わず,これまでに開発されたあらゆるワクチン・プラットフォームが試され,規制当局は,開発者からの申請を優先的に審査している [開発済みまたは進行中のワクチンの標的抗原の種類分布についてFig.1引用右図参照].
  • これまでに,2種類のmRNAワクチン (ファイザー・ビオンテック社とモデルナ社)の緊急使用 (Emergency Use Authorization, EUA)が認められ,続いて,4種類のウイルスベクター・ワクチンが各国で緊急ワクチンとして承認され,4種類の不活性化コロナウイルス・ワクチンも承認された.
  • さらに,多くのワクチン候補について,大規模な臨床試験が進んでおり,その安全性や免疫原性に決定的な影響を及ぼす特性について,開発者による評価と規制当局による厳しい審査が,密接な対話のもとで進んでいる.
  • ヒトを対象とする臨床試験に加えて数カ国ですでに行われたEUA承認ワクチン接種から得られた膨大なデータが,初のmRNAワクチンの有効性とともに,安全性のプロファイルも優れていることを明確に示している.今や,地球上の全ての人々に迅速に接種を広げるために,信頼性が高く回転が速い重要品質特性 (Critical Quality Attribute, CQA) [*2]アッセイ法を導入することが課題である.
 [考察]
  • COVID-19ワクチンの研究開発に必要なアッセイ法には,他のワクチンの研究開発の過程で開発利用されてきたアッセイ法を利用できる.
  • 堅牢で迅速なCQAアッセイは,ワクチンの製造拠点間の技術移転を促進し,ひいては地球規模での大量供給のニーズを満たすことになる.
  • 適切に設計した"化学、製造および品質管理" (Chemistry, Manufacturing, and Control, CMC)の計画が,規制当局における審査と承認を容易にする.
  • さらに,本レビューで一部を紹介したCQA生物学的特性評価法2021-06-21 12.47.34を選択することで,異なる臨床段階で使用されたワクチンのバッチ間の品質の一貫性を比較することが可能になり,製品化を加速することになる [分析法についてTable 1引用右図参照].
  • モノクローナル抗体CR3022,スパイクタンパク質の受容体結合ドメイン (RBD),およびヒトACE2を含むin vitro 免疫化学的および生化学的アッセイのための試薬が,PATH [*3]とNIBSC [*4]との協力のもとに,開発者に提供されている.
  • なお,バッチ出荷の際のCQAアッセイは出来る限りin vitro で行うべきである.実験動物保護の3Rの法則 [Replacement/代替, Reduction/削減, およびRefinement/改善 (苦痛軽減)]の観点からとともに,時間の節約や,動物実験に伴う再現性の問題軽減などの実用上の観点からも好ましい.
[参考]
  1. crisp_bio 2021-06-01 アストラゼネカのワクチンに含まれている不純物が有害事象をもたらす可能性がある.https://crisp-bio.blog.jp/archives/26521621.html
  2. 重要品質特性(Critical Quality Attribute, CQA). 品質リスクマネジメントについて. 大塚製薬株式会社 徳島第二工場 医薬生産部 長谷川 隆. http://www.jpma.or.jp/information/quality/pdf/080929_5.pdf
  3.  PATH. Program for Appropriate Technology in Health. https://ghcorps.org/partners/placement-organizations/path/
  4. NIBSC. First WHO International Standard for SARS-CoV-2 RNA. https://www.nibsc.org/products/brm_product_catalogue/detail_page.aspx?catid=20/146 
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