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2022-03-13 Science 誌採択論文と論文紹介展望記事の書誌情報を追記し,OpenCell Webサイトのスクリーンキャプチャを更新,テキストも一部改訂した.また,スクリーンショット 2022-03-13 11.05.21本記事タイトルを「OpenCell: プロテオーム・スケールの細胞内タギングを介して,ヒト細胞の物理的・機能的構成図を描いた」 を「OpenCell: 生細胞における1,130種類のタンパク質の局在と相互作用を可視化」に改訂した.
  • [論文タイトルbioRxiv 投稿変更] "OpenCell: Endogenous tagging for the cartography of human cellular organization" Cho NH, Cheveralls KC, Brunner A-D, Kim K, Michaelis AC, Raghavan P [..] Leonetti MD. Science 2022-03-11. https://doi.org/10.1126/science.abi6983
  • [展望] PERSPECTIVE "The modular cell gets connected" Michnick SW, Levy ED. Science 2022-03-10.  https://doi.org/10.1126/science.abo2360
2021-07-03 初稿
[出典] "OpenCell: proteome-scale endogenous tagging enables the cartography of human cellular organization" Cho NH, Cheveralls, KC, Brunner A-D, Kim K, Michaelis AC, Raghavan P [..] Leonetti MD.  (bioRxiv. 2021-03-29 [プレプリント]. https://doi.org/10.1101/2021.03.29.437450) 
 Chan Zuckerberg BiohubにMPI Biochemistryなどが加わった研究グループは今回,ゲノム工学,共焦点イメージングおよび免疫沈降–質量分析 (IP-MS)にデータマイニング (機械学習によるクラスタリングと解析)を組み合わせて,生細胞における内在発現条件下でのタンパク質の局在化とタンパク質の相互作用のマップ, プロテオミクスマップ "OpenCell'を作成・公開した.
  • HEK293T細胞において1,310種類のタンパク質を,CRISPR/Cas9によるHDRを介して,アフィニティーキャプチャー用のハンドルとしても機能する蛍光タグ (mNG11 split-mNeonGreen)で標識することで,追跡した.
  • 蛍光タグと3次元共焦点イメージングにより生細胞におけるタンパク質局在について,これまでで最も包括的な画像データーを獲得し,IP-MSのデータと組み合わせることで,同一サンプルからの局在化と相互作用を測定可能になった.
  • 実験データをベースに機械学習のフレームワークを利用して,各タンパク質の特徴を定量化した.
  • ネットワークの教師なしクラスタリングを介してタンパク質群の機能グループを特定し,これまで機能が不明であったタンパク質やパスウエイを巡る機構について洞察することが可能になった.
  • また,ヒト・プロテオームの構成の階層的に記述することも可能になり,天然変性タンパク質 (intrinsically disordered proteins),特にRNA結合タンパク質が,プロテオームのネットワークを構成するに極めてユニークな機能を帯びていることが明らかになった.
  • さらに,イメージングデータとIP-MSデータを照合することで,局在化パターンに,分子間相互作用を特定するのに十分な情報が含まれていることを明らかにした.
  • 今回の研究成果を対象とする完全な対話型のWebサイト (https://opencell.czbiohub.org)は,ヒトの細胞組織の定量的マッピングに有用である [本記事冒頭のWebサイトトップページの画面キャプチャ参照].
 本研究は,各タンパク質の細胞内分布がもたらす情報が極めて特異的であり,機械学習を活用することで,顕微鏡観察だけから詳細な機能情報を推定可能なことを示し,今後そのタンパク質の特性評価,ハイスループット・スクリーニング,分化や罹患時の細胞の状態のモデリングなどへの応用が待たれる. 
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