(創薬等PF・構造生命科学ニュースウオッチ 2015/12/26)
- 過剰にリン酸化されたタウ原線維で構成される神経原線維変化(neurofibrillary tangles)は、アルツハイマー症の病理的特徴であり、神経原線維変化数とアルツハイマー症の進行は強く相関している.この神経原線維変化に先んじて、タウ原線維が過剰なリン酸化によって重合し、不溶性の顆粒状タウオリゴマーが形成されるに至り、その結合によって神経原線維変化が構築されるとともに、神経脱落が引き起こされることが明らかになってきた.
- 研究チームは今回、理研の天然化合物バンク(RIKEN NPDepo)の6,788化合物アレーのスクリーニングから絞り込み、1,2-ジヒドロキシベンゼン(カテコール)類が、顆粒状タウオリゴマー形成を阻害することを見出した.
- タウ重合体はそのシステイン残基を介したタウ単量体の結合をきっかけとして形成されていくが、カテコール類化合物はシステイン残基のSH-基と共有結合することによって、タウ重合体の形成を阻害していた.
- カテコールアミンに分類されアドレナリン作用薬の一種であり血液脳関門を通過するイソプロテレノールを、タウオパチーのモデルマウスに3ヶ月間経口投与したところ、タウ凝集量と神経脱落が減少し、神経原線維変化に関連した症状が軽減された.
- [原論文責任著者 (corresponding author)] 高島明彦 (国立長寿医療研究センター(NCGG))
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