[出典] "CRISPR/Cas9-engineered Drosophila knock-in models to study VCP diseases" Wall JM, Basu A [..] Johnson AE. Dis Model Mech. 2021-06-23. https://doi.org/10.1242/dmm.048603
 VCPは6量体のII型AAA ATPaseであり,N末端の制御ドメインと2つのATPaseドメイン (D1とD2)の3つのドメインが存在し,N-末端ドメインとD1ドメインの変異が多系統蛋白質症 (Multisystem Proteinopathym, MSP-1)やALSなどのいくつかの変性疾患に関連している.しかし,それぞれの変異と病態や臨床転帰との対応関係がほとんど分かっていない.
  • Louisiana State UniversityとPennington Biomedical Research Centerの研究グループは今回,CRSPR/Cas9を利用して,9種類の遺伝性VCP変異を帯びたショウジョウバエのノックイン変異体モデルを作出した.
  • これらのモデルは,運動性低下の進行,タンパク質凝集体蓄積、リソソームやミトコンドリアの機能の欠陥など,VCP変異の多くの特徴を示した.
  • 変異体の中には,ラミノパチーやフェノタイプの性差など,予想外の特徴を示したものもあった.