Prime Editing All-in-One (PEA1)とPETAL (Prime Editing Target Locator) https://gt-scan.csiro.au/petal/
2021-09-20 Nucleic Acids Research誌から論文刊行
2021-07-08 初稿
[出典] "Optimized nickase- and nuclease-based prime editing in human and mouse cells" Adikusuma F [..] Thomas PQ. (bioRxiv. 2021-07-02). Nucleic Acids Res. 2021-09-17. https://doi.org/10.1093/nar/gkab792
2021-07-08 初稿
[出典] "Optimized nickase- and nuclease-based prime editing in human and mouse cells" Adikusuma F [..] Thomas PQ. (bioRxiv. 2021-07-02). Nucleic Acids Res. 2021-09-17. https://doi.org/10.1093/nar/gkab792
Fatwa AdikusumaらUniversity of Adelaideを主とするオーストラリアの研究グループは今回,David R Liuグループらが開発したPE [*1]をより利用しやすくかつ効率よくするオールインワンのベクターをベースとする実験法PEA1を開発し,また,PEA1実験を支援するオンライン・ツールPETALを開発し,bioRxiv に投稿した.PEはトランスジッションとトランスバージョンのあらゆる種類の点変異,インデル,および精密な配列改変の導入を実現する強力なゲノム編集ツールであるが,効率が細胞型によっては極めて低いことと,設計が複雑なことが課題であった.
[PEA1ベクター構築]
オールインワンベクターは,研究グループが2017年にPLoS Oneに発表した"デュアルgRNAを発現させるための汎用性の高いシングルステップアセンブリーCRISPR/Cas9ベクター"の技術 [*2]をベースとしている.
PEA1では,PEの要素として,pegRNA,逆転写 (RT)テンプレート,およびPEの精度を高める効果がある第2のニックを入れるためのガイドの3種類のオリゴを発注するだけでよい.なぜなら,PEA1にはBbs1サイトと選択用マーカをセットしたコンストラクトが予め用意されていることから [Fig.1-a引用右図参照],3種類のオリゴを消化/ライゲーション・ゴールデンゲイト・クローニングを介して一段階で,PuroまたはGFPマーカもセットしたプライム・エディティングPE用のプラスミド (PEA1-PuroまたはPEA1-GFP)を用意できる. 用意すべき3種類のオリゴの設計には,冒頭に記したPETALが用意されている.PETALに野生型の配列と目的とする編集が完了した配列を入力し,関心のあるgRNAなどを選択するだけで良い [ただし,PETALの改良は進行中である].
[PEA1の評価]
HEK293T細胞に,PEのオリジナル論文 [*1]におけるPE3による編集と同じ24ヶ所を標的とするPEA1-puroを適用し,マーカを利用して形質転換されなかった細胞を除去した.
プロモーター,NLSの配置およびヌクレオフェクションを利用するといった最適化も加え,編集効率の平均値として,PEオリジナル論文の効率平均値~35%に対して,ほぼ2倍の67%を達成し,最大95%を達成した.
プロモーター,NLSの配置およびヌクレオフェクションを利用するといった最適化も加え,編集効率の平均値として,PEオリジナル論文の効率平均値~35%に対して,ほぼ2倍の67%を達成し,最大95%を達成した.
PEオリジナル論文では,K562細胞とHeLa細胞の編集効率が低いとされていた.PEA1-Puroを12ヶ所の標的に適用し,一部では改善が見られたが,HEK293細胞の場合に比べると低効率であった.HEK細胞,K562細胞,およびHeLa細胞における効率の平均値はそれぞれ,71%, 29%,および7%であった.
研究グループはここで,オリジナルPEのベースであったCas9 (H840A)ニッカーゼを,Cas9ヌクレアーゼに置き換えることを発想し,PEA1-Nuclease PEを構築し,K562細胞とHeLa細胞,およびマウスES細胞で評価した.ヌクレアーゼを利用することで,編集の効率はK562細胞とHeLa細胞でそれぞれ71%と30%へと向上したが,オフターゲット編集とオンターゲット変異を伴った.マウスES細胞でも同様であった.
おどろくべきことに,意図した編集が実現したアレルにおいて,RTテンプレートの配列に由来する余分な配列が組み込まれていた [Figure 3-c引用右図参照].著者らはこれをPartial Template Duplication (PTD)と称したが,K562細胞とHeLa細胞での頻度はそれぞれ49%と23%となった.すなわち細胞株では,ヌクレアーゼをベースとしたPEは,編集の頻度は上昇するが正しい (設計した)編集の頻度は低下する結果となった.ヌクレアーゼをベースとするPEでは,ヌクレアーゼ活性による再切断が課題となった.
おどろくべきことに,意図した編集が実現したアレルにおいて,RTテンプレートの配列に由来する余分な配列が組み込まれていた [Figure 3-c引用右図参照].著者らはこれをPartial Template Duplication (PTD)と称したが,K562細胞とHeLa細胞での頻度はそれぞれ49%と23%となった.すなわち細胞株では,ヌクレアーゼをベースとしたPEは,編集の頻度は上昇するが正しい (設計した)編集の頻度は低下する結果となった.ヌクレアーゼをベースとするPEでは,ヌクレアーゼ活性による再切断が課題となった.
[マウスin vivoにおけるPEA1-Nuclease PE]
PEA1-ヌクレアーゼPEのmRNAとペグRNAを接合体に注入する実験も行った.標的遺伝子座と目的とする編集のタイプに依存するが,特定の編集を施した変異マウスを効率的に作出可能なことを見出した. [Figure 5引用右図参照].
[*] 引用crisp_bio記事と論文
- crisp_bio 2019-10-22 David R. Liuグループからプライムなゲノム編集法 - BEsに続くPEs. https://crisp-bio.blog.jp/archives/20458334.html
- "Versatile single-step-assembly CRISPR/Cas9 vectors for dual gRNA expression"
- Adikusuma F, Pfitzner C, Thomas PQ. PLoS One 2017-12-06. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0187236

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