CROTON = CRISPR Outcomes Through cONvolutional neural networks
[出典] "CROTON: an automated and variant-aware deep learning framework for predicting CRISPR/Cas9 editing outcomes" Li VR, Zhang Z, Troyanskaya OG. Bioinformatics 2021-07-12. https://doi.org/10.1093/bioinformatics/btab268

Hunter College High SchoolとPrinceton Uの研究チームは今回,深層マルチタスク畳み込みニューラルネットワーク (CNN)とニューラルアーキテクチャ検索(NAS)を用いて,特徴量とモデルエンジニアリングの両方を自動化し,2021-07-14 15.26.22エンドツーエンドの深層学習フレームワークであるCROTON(CRISPR Outcomes Through cONvolutional neural networks)を構築した [Fig. 1引用右図参照].
 CROTONのモデルアーキテクチャは、NASを利用して大規模なコンストラクトベースの合成データセットで自動的に調整し、その後、独立した初代T細胞のゲノム編集データセットでテストした。2021-07-14 15.26.41
 CROTONは、1塩基対の挿入・欠失確率、欠失・フレームシフト頻度の予測において、これまでに設計されたモデルやNAS以外のCNNよりも優れていた [Table 1/2引用右図参照]。また、CROTONの解釈により、多様な編集結果をもたらす局所的な配列決定要因が明らかになった。 
 最後に、CROTONを用いて、新型コロナウイルス受容体のACE2,HIVの受容体CCR5,および,免疫チェックポイント阻害剤のCTLA4とPDCD1という4つの臨床的に重要な標的遺伝子のゲノム編集結果に,一塩基変異 (SNV)がどのように影響するかを評価した。その結果,これらのターゲット遺伝子においてSNVに因ってCROTONの予測が大きく左右され,広汎なgRNAsの設計にあたってSNVsを考慮する必要があることを示した.