[出典] "Characterizing long COVID in an international cohort: 7 months of symptoms and their impact" Davis HE, Assaf GS, McCorkell L, Wei H, Low RJ, Re'em Y, Redfield S, Austin JP, Akrami A. EClinicalMedicine. 2021-07-15. https://doi.org/10.1016/j.eclinm.2021.101019
 著者らはPatient-Led Research Collaborative [*]のメンバーであり,long-COVIDを経験したまたは現在経験している.責任著者はUniversity College Londonの神経科学者である.
[*] "Patient-Led Research Collaborative: embedding patients in the Long COVID narrative" McCorkell L, Assaf GS, Davis HE, Wei H, Akrami A. Pain Rep. 2021-04-13. https://doi.org/10.1097/PR9.0000000000000913
  • 著者らは,COVID-19支援グループ (Body Politics, Long COVID Support Group, Long Haul COVID Fighters)とソーシャルメディア (Twitter, Facebook)を介し,COVID-19患者を対象とするオンライン調査を行った.
  • 2020年9月6日から11月25日の間に,56ヵ国3,762人のCOVID-19患者からのデータを集積した.結果的に,2019年12月から2020年5月の間にCOVID-19を発症した患者のlong COVIDの症状を分析した.
  • 呼吸器系を含む10種類の器官にわたり203種類のlong COVIDの症状が確認され,7ヶ月以上継続するlong COVIDの症状66種類が同定された.
  • 91%を超える回答者が回復に35週間以上を要し,平均して9.1種類の器官にわたる55.9種類の症状を訴えた.
  • 3,762人のうち2,242人が少なくとも6ヶ月間有症状であった.
  • 6ヶ月経過時点で最も多かった症状は,疲労,PEM (Post-exertional malaise: 身体努力または心的努力の後に,症状が悪化する状態),および,認知機能の障害または'brain fog'であった.
  • その他の症状は,幻覚,震え,性機能障害,記憶喪失,下痢など,身体および認知にかかわる問題全般に渡った.
  • 7ヶ月ではlong COVID患者の多くが回復するに至らず,以前の仕事のレベルには戻れず,主として全身症状と神経・認知症状に悩まされていた.
  • 著者らはすべての患者が回復のために十分な休暇を取り,長期的な支援が必要な場合には障害者手当の受給資格を得て,在宅勤務 (elecommunication),フレックスタイム,段階的な復帰などの職場での便宜を図ることが重要であるとした.
  • なお,本調査の対象は,安定なインターネット接続と電子メールアドレスを持っている人々に限られており,英語を話す人 (91.9%),白人 (85.3%),社会経済的地位が高い人への偏りがある結果となった.
 [long COVID 関連crisp_bio記事]