PROPER-seq: protein-protein interaction sequencing
PROPER-seq[出典] "Revealing protein-protein interactions at the transcriptome scale by sequencing" Johnson KL, Qi Z [..] Zhong S. Mol Cell. 2021-08-03. https://doi.org/10.1016/j.molcel.2021.07.006
 UCSDを主とする研究グループが,抗体や遺伝子ライブラリーを予め用意することなく,特定の細胞において10,000x10,000までのタンパク質ペアを検出することを可能とするPROPER-seq法を開発し,Molecular Cell誌から発表し,PROPER-seq法で同定した既知および新規PPIsを,Webサイト [https://genemo.ucsd.edu/proper/]から公開した.
 PROPER-seqは,Graphical Abstractから引用した右図にあるように,SMART-display, INLISEおよびPROPERseqToolsの3つのモジュールで構成されている.
  • SMART-displayは各タンパク質に固有のバーコードを付与するモジュールである [Figure 2参照]
  • INLISEは"incubation, ligation, and sequencing"から命名されたモジュールであり,相互作用するタンパク質ペアに付与された一対のDNAバーコードの配列を決定するモジュールである [Figure 3参照]  
  • PROPERseqToolsは,INLISEから統計の手法を利用してシーケンシングデータからPPIを特定するin silicoのモジュールである.
Fig. 4. 研究グループは,PROPER-seqをヒト胚性腎細胞,Tリンパ球,および内皮細胞に適用し,8,635個のタンパク質が関与する210,518個のPPIを同定し,PROPER v1.0として公開した [Figure 4 引用右図参照] .
  • PROPER v1.0収録PPIsを,PPIデータベースに登録されている既知のPPIと照合したところ,PROPER v1.0に含まれる1,300以上のPPIと2,400以上のPPIが,それぞれ過去の共免疫沈降法とアフィニティ精製質量分析実験によって裏付けられた.
  • PROPER v1.0はまた,in silicoで予測され,未だ実験検証されていない17,000以上のPPIsとオーバーラップしていた.
  • PROPER-seqで同定されたPPIの中で,これまでに報告されていない4種類のPPIsの実験検証に成功した.すなわち,DNA修復に重要なタンパク質であり癌療法の標的でもあるPARP1と,XPO1,MATR3,IPO5,およびLEO1との4種類のペアについて,その相互作用をin vivo 実験で実証することができた.
  • 加えて,PROPER v1.0が100組の合成致死遺伝子ペアと重複していることも発見し,タンパク質間の物理的相互作用と遺伝子間相互作用との関連を示唆する結果を得た.