[出典] "CRISPR-based peptide library display and programmable microarray self-assembly for rapid quantitative protein binding assays" Barber KW, Shrock E, Elledge SJ. Mol Cell. 2021-08-13. https://doi.org/10.1016/j.molcel.2021.07.027; Graphical Abstract https://ars.els-cdn.com/content/image/1-s2.0-S1097276521005967-fx1_lrg.jpg
 Brigham and Women’s Hospita/Harvard Medical Schoolの研究グループは今回,dCas9を介してバーコードとして利用するユニークなsgRNAでペプチドを標識したプール型ライブラリーと,sgRNAの標的配列を帯びたDNAマイクロアレイを組み合わせることで,自己組織化ペプチド・マイクロアレイをベースとするペプチド・ディスプレイ技術を開発し,PICASSOとして発表した [Figure 1参照 https://ars.els-cdn.com/content/image/1-s2.0-S1097276521005967-gr1_lrg.jpg; パブロ・ピカソのスケッチを模した自己組織化ペプチド・マイクロアレイのパターンからPICASSOと命名 Figure 2参照 https://ars.els-cdn.com/content/image/1-s2.0-S1097276521005967-gr2_lrg.jpg]
  • 飽和変異誘発ライブラリをベースとするPICASSOにより,市販の抗FLAGモノクローナル抗体とエピトープ結合特性の同定を実現した.
  • 同様にして,精製しないままの患者由来の血清中抗体とA型インフルエンザウイルスのエピトープの結合に決定的なアミノ酸同定を実現した.
  • また,COVID-19回復患者の血清から,SARS-CoV-2のエピトープを標的とする抗体を検出することにも成功した [Figure 5 参照 https://ars.els-cdn.com/content/image/1-s2.0-S1097276521005967-gr5_lrg.jpg]
 [PICASSOの特徴]
  • これまでのペプチドやタンパク質のマイクロアレイ構築には,数千のタンパク質を個別に発現・精製する必要があったが,PICASSOでは,1回のバッチでライブラリを合成し,テンプレートとなるDNAマイクロアレイ表面に自己組織化させる合理的な手法である.
  • PICASSOのテンプレートとなるdsDNAマイクロアレイは、実験後にプロテアーゼ処理を行うことで,再利用可能である.
  • PICASSOは,次世代シーケンシングや複数回のセレクションが不要であり,dsDNAマイクロアレイにdCas9-sgRNAライブラリを展開してから短時間で結果が出る.
  • PICASSOはDNAスキャフォールドをベースとする生物材料の組み立てにも展開できる可能性がある.