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[出典] "Genome dependent Cas9/gRNA search time underlies sequence dependent gRNA activity" Moreb EA, Lynch MD (Duke University). Nat Commun. 2021-08-19. https://doi.org/10.1038/s41467-021-25339-3
 CRISPR-Cas9はgRNAにガイドされて,PAMを帯びた任意のDNA配列を切断する強力なDNA編集ツールであるが,その切断活性がgRNAに依存することが知られている.これまでに,大規模なgRNAライブラリをスクリーニングした結果をもとにしたデータセットをベースとしてgRNAの活性を予測するアルゴリズムが開発されてきたが,予測精度がトレーニング・データセット内では高いが,異なる実験からのデータセットや異なる種では低い傾向があった.
 著者らは,これまでに発表されたデータセットの中から,異なる種,複数のCas9改変体,内因性および外因性の標的部位,さまざまな活性出力,および異なる実験系を用いた44種類のデータセットを選択した上で,gRNAの活性に影響を及ぼす配列の特徴を再解析した.
gRNA活性 その結果,gRNAの活性は,標的部位における活性よりも,Cas9/gRNA複合体が標的部位を見つける速度に依存し,これが異なる種間でのgRNA活性の配列依存性の違いをもたらすとする結論を得た.
[crisp_bio 注] Fig. 1にCas9/gRNA複合体の活性に影響を与えるとされてきた一連の因子と,活性に最も重要とされてきたgRNAの配列の特徴がまとめられている [右図に画像の部分だけ引用] .
 この結果は,これまでのアルゴリズムが,標的部位におけるDNAの巻き戻しや切断以外の要因,すなわち,Cas9/gRNA複合体が標的を探索・認識する速度に影響を及ぼす標的部位を除く領域の配列の特徴 (ゲノムのコンテクスト)を効果的に捉えていなかったことを意味する.
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