[出典] "Adeno-Associated Vector-Delivered CRISPR/SaCas9 System Reduces Feline Leukemia Virus Production In Vitro" Helfer-Hungerbuehler AK et al. Viruses. 2021-08-18. Viruses 2021-08-18. https://doi.org/10.3390/v13081636
 University of Zurichの研究チームからの論文
  • FeLVFeLV感染症の経過において,ウイルス/プロウイルスの量がしばしば疾患の転帰 (outcome)と対応している [Figure 1引用右図参照]:abortive infectionの場合は,猫の免疫反応がウイルス増殖を抑止している (強い免疫応答);  regressive infectionの場合は,効果的な免疫反応によってFeLVを制御することができ,多くの場合、FeLVに関連する病気や死を回避可能; progressive infectionの場合は,ウイルス量レベルが高く維持される(FeLVに対する体液性と細胞性免疫の欠如)
  • 研究グループは,CRISPR/SaCas9によってネコの細胞内のFeLVプロウイルスを減少させて,ネコの免疫系がウイルス血症を克服するのを助けることで,FeLV感染の結果をprogressiveからregressiveに変えることを目指した.
  • 天然のAAV血清型9種類,AAVハイブリッド株2種類,およびin silico でAAVの祖先とされているAnc80L65を用いて,さまざまなネコの細胞株およびネコの初代細胞への感染性を比較し,AAV-DJを選択した.
  • FeLVプロウイルスの12カ所の部位を標的とした二本鎖切断をT7E1とTIDE法で評価し,NHEJの効率が最も高い (最大80%)領域が,FeLVで高度に保存されているgag領域とpol領域であることを発見した.
  • AAV-DJを利用したSaCas9システムの導入実験において,indelsの形成と,いくつかの標的でFeLV p27抗原が有意に減少することを確認した.
  • 徐々にFeLVに感染するネコに感染を克服する手段を与えるのに十分かどうかは,in vivoで検証する必要がある.